11月は短期的な過熱感の高まりから難しい局面を迎えそう
10月31日の日経平均株価は52,000円台まで水準を切り上げました。10月相場は調整を想定していましたが、むしろ上昇ピッチが加速し、月足チャートは4月から7ヶ月連続の陽線を形成し、2025年の年足ローソク足の長さは2万円を超えてきました。
TOPIXは6ヶ月連続の陽線となりました。過去のアノマリーでは11月は年間を通じて最もパフォーマンスが良好だったというデータが残っていますが、2025年は短期的な過熱感の高まりから難しい局面を迎えそうです。アベノミクス相場が本格化する直前の2012年からの月別勝率でも、11月は85%と12ヶ月中で最も高い値となりました。下げた年は2021年と2024年だけですが、2025年の相場に類似点があるわけではなく、引き続き、今のトレンドに従う姿勢が基本となるのでしょう。
いろいろな投資尺度はあるにせよ、短期的な過熱感は多くの方が感じていることであり、どこかで調整はあるでしょう。それは11月かもしれませんし、12月かもしれません。ただ、高値をつけた後の調整が半年~1年程度なのか、そうではなく2~3ヶ月程度の調整にとどまるのかがここからの重要なポイントになります。その程度の調整ならアベノミクス相場の中で何度も経験してきました。唯一、違う点としては、今は1989年につけたバブル時高値を超えた相場環境にあるということでしょう。
11月5日や12月3日前後は変化日として留意が必要
さて、次は心理的節目の日経平均55,000円前後がターゲットして挙げられます。ただし、相場水準が切り上がったことで、月替わりによる大口投資家からの調整売りや、急ピッチな上昇の反動安を警戒した利益確定売りなどが出やすい点には留意が必要です。年内は2ヶ月を残すのみとなりましたが、日柄面では11月5日や12月3日前後は変化日として留意が必要です。
特に、12月3日前後は、2024年8月急落後の安値と2025年4月急落後の安値までの「163日」という期間と、今年4月急落後の安値から同じ期間が経過するタイミングとなるため、外部環境と照らし合わせながら注視する必要がある日柄応当日となります。今のこの急騰相場は、2024年8月急落後の安値と2025年4月急落後の安値とで構成される脚立のような「2本の長い足」が生み出したものであるため、この期間の重要性は高いのです。
