普段時計を何気なく眺めていますが、世界は「超精密時計」に支えられています。通信や金融取引、電力網まで、少しの狂いも許されません。ところがこの時計、意外と繊細です。わずか0.000013秒の誤差で一部の企業等が混乱する可能性があります。
最近、フォン・デア・ライエン欧州委員長の飛行機がGPSトラブルに見舞われたと報じられました。GPSは、超精密な原子時計から発信される時刻情報をもとに、電波の到達時間差から位置を割り出しています。このとき航空機は正確な位置情報を得られなくなりましたが、パイロットが主導して地上ナビや紙の地図を駆使し、安全に着陸したそうです。もはや時計は、日常の道具という枠を超え、国際政治や安全保障に直結する存在です。
各国も危機感を強めています。 米国は「1億年に1秒しか狂わない」原子時計を発表し、英国は衛星に頼らないシステムを再整備。中国では携帯型原子時計の開発が進み、スウェーデンは5G通信を支えるために国内の原子時計をアップグレード中です。研究者たちは、超正確な時計を目指す挑戦を続けています。
遅刻の言い訳に「GPSが狂ったんです」が使える日も近いかもしれませんが、時間は目に見えないインフラです。自分がだらだらしている間も、世界中で瞬間を守る戦いが続いていると思うと、時間を無駄にしている場合ではないですね。
