工藤栄一監督が亡くなられました。必殺シリーズを撮られていた方です。藤田まこと演ずる中村主水を中心とした脚本も中々味のあるものでしたが、やはり一番印象的だったのはあの映像です。
最後の「必殺」シーンは黒を基調として、その中に顔だけ照らし出されたり、或いは影絵で動きを表現したりして、毎週放映されるテレビドラマにも拘わらずその映像はかなり凝った美しいものでした。最近のテレビ映像技術はあの頃に比べて格段に進歩したはずですが、その構成や味わいはどちらかというと落ちている気がします。音楽は如何に忠実に再現するかが重要と思われますが、映画とかは構成して創って見せるものですから、必ずしも技術が後押しはしないのでしょうか。(蛇足ですが西崎みどりの歌っていたあのエンディング・テーマも味がありましたね。題名は思い出せませんが。)