6月失業率4.3%以上なら利下げ再開を示唆=修正失業率
私は、6月18日付「失業率で考える7月FOMCの利下げ」というレポートで、7月初めに発表される6月失業率が4.3%以上に上昇した場合は、7月FOMCで政策金利のFFレートが0.25%以上引き下げられる可能性があるのではないかとの見方を示した。その根拠は、FFレートと失業率の間に一定の相関関係があり、その失業率が上昇した場合は利下げの必要性を示唆するということだった(図表1参照)。

失業率から失業率の過去10年平均値(10年MA)を引いた修正失業率は、2024年9月FOMCの前に大きく悪化し、0.5%の大幅利下げの必要性を示唆したが、実際に9月FOMCでは0.5%の利下げが決定された。これを含めた3回連続の利下げ、そしてその後の利下げ見送りは、ほぼこの修正失業率の示唆に沿った結果だった。
その修正失業率は、6月失業率が4.3%以上に上昇した場合、FFレートの0.25%以上の引き下げの必要性を示唆することになる(図表2参照)。まさに、失業率の結果次第では、7月FOMCでの利下げが現実味を持つ可能性がありそうだ。

4.3%へ悪化寸前だった5月失業率=小数点以下2ケタで4.24%
失業率は5月まで3ヶ月連続で4.2%だったが、これが6月に4.3%以上に悪化するだろうか。失業率を小数点以下2ケタで見ると4月が4.19%、5月は4.24%だった。つまり5月の失業率は四捨五入で4.2%だったものの、実際には4.3%寸前だったわけだ。以上のように見ると、6月失業率が4.3%以上に悪化し、それを受けて修正失業率が0.25%以上の利下げの必要性を示唆する可能性は高いように感じられる。
ウォラー理事やボウマン副議長の7月利下げ支持発言は、トランプ大統領の相次ぐ早期利下げ要請への政治的配慮のようにも見えなくはないが、この失業率のような客観的データも利下げ再開の必要性を示唆する結果となった場合、7月のFOMCでの利下げ再開を巡る判断は一段と注目を集めるものとなる可能性があるのではないか。