東京市場まとめ

1.概況

日経平均は189円高の38,278円で寄付きました。前日の米国市場では、ハイテク株が上昇したほか、ドル円相場が円安・ドル高に推移したことを支えに、日本市場は買いが先行してのスタートとなりました。序盤は上げ幅を縮小しての推移となるも、株価指数先物への買いが強含み、中ごろから上げ幅を広げた日経平均は385円高の38,473円で前引けとなりました。

後場も高値圏での推移となりました。12時49分に407円高の38,495円をつけ本日の高値を更新した後38,400円台で推移した日経平均は、14時過ぎから急速に上げ幅を縮小し、最終的には122円高の38,211円と、3日続伸で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が続伸、1.5%高で取引を終えました。

2.個別銘柄等

安川電機(6506)は3.9%高の3,287円をつけ大幅続伸となりました。米中両政府が9日、貿易問題を巡って2回目となる閣僚級協議を実施したことを受け、輸出規制等が緩和されて米中貿易摩擦による景気減速懸念が和らげば、中国売上高比率の大きい企業の業績にプラスに働くとの見方から中国関連銘柄の一角として買いが優勢となりました。

サンリオ(8136)は1.8%高の6,812円をつけ続伸となりました。国内証券が同社の目標株価を従来の7,770円から足元の水準を大きく上回る9,420円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。アナリストはハローキティ50周年のマーケティング効果が他サンリオキャラクターに波及していると指摘しています。

フジクラ(5803)は2.7%安の6,879円をつけ反落となりました。国内証券が同社の投資判断を3段階で最上位の「買い」から真ん中の「中立」に引き下げ、これを材料視した売りが出ました。なお目標株価は従来のまま7,000円で据え置いています。

電子精密機器メーカーのシンフォニアテクノロジー(6507)は一時6.9%高の8,880円をつけ株式併合考慮後で上場来高値を更新しました。国内証券が同社の目標株価を従来の10,900円から11,400円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。

アストロスケールホールディングス(186A)は5.0%高の718円をつけ大幅続伸となりました。連結子会社がある国の政府から新たな防衛関連契約を受注したと発表し、この受注により今後の業績拡大を期待した買いが入りました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は一時38,500円に迫る場面がみられるも、大引けにかけて失速し122円高で取引を終えました。本日も、米中の貿易交渉が行われるとされ、その進展が明日の材料となりそうです。一部には、中国によるレアアース輸出規制は緩和の方向で調整されていると伝わっており、米国側からも半導体規制での譲歩が期待されます。また明日は、日本の経済指標で企業物価指数の発表が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)