東京市場まとめ

1.概況

日経平均は48円高の37,209円と続伸で寄付きました。トランプ米大統領がEUに対する50%の関税発動期限を7月9日まで延長すると表明したことが投資家心理の安心感につながり、日本市場は買いが優勢でのスタートとなりました。米株価指数先物の上昇が後押しし、堅調な推移となるも節目の37,500円に近付く場面では利益確定の売りも入り、168円高の37,329円で前引けとなりました。

後場も勢いを落とすことなく買いが優勢でのスタートとなりました。高値圏で推移するも上値は重い中で、後半にかけて上げ幅を拡大し、大引けは371円高の37,531円と高値引けで取引を終えました。

新興市場では東証グロース250指数が1.6%高と4日ぶりに反発となりました。

2.個別銘柄等

日本製鉄(5401)が2.1%高の2,930円をつけ続伸となりました。同社による米鉄鋼大手のUSスチール[X]の買収計画に関し、日本経済新聞は「トランプ米大統領が承認に転じた」と報じ、激しい交渉が続いた中で、M&Aが実現に向かうとみた買いが優勢となりました。

サイバーエージェント(4751)は4.5%高の1,481.5円をつけ続伸となりました。外資系証券が、同社の目標株価を従来の1,500円から足元の水準を大きく上回る2,100円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。

U-NEXT HOLDINGS(9418)は一時5.0%高の2,169円をつけ上場来高値を更新しました。国内証券が「契約件数増による安定的な利益成長が続く」と評価し、同社の目標株価を従来の1,667円から2,200円に引き上げたことで、買いが集まりました。

しまむら(8227)は一時1.7%高の10,250円をつけ上昇する場面が見られました。23日に5月度(4月21日~5月20日)の売上速報を発表し、ファッションセンターしまむらの既存店売上高は前年同月比2.9%増と2ヶ月連続で前年を上回ったことで、堅調な販売動向を評価した買いが入るも、引けにかけて上げ幅を縮小し、終値は前週末から変わらない10,080円で取引を終えました。

AIソリューション会社であるエクサウィザーズ(4259)は2.6%高の396円をつけ3日続伸で取引を終えました。23日、かんぽ生命保険(7181)の営業部門にAIアバターを利用した模擬商談で研修できるサービスが導入されたと発表し、大手生命保険会社の導入により、業績や今後のサービスの拡大を期待した買いが入りました。

VIEW POINT: 明日への視点

週明けの日経平均は、米国によるEU向け関税の発動期限を延長とするニュースを手掛かりに続伸で取引を終えました。本日夜間の米国市場はメモリアルデーのため、休場となります。

明日は植田日銀総裁による日銀金融研究所主催の国際コンファランスでの挨拶が予定されているものの、従前どおりのコミュニケーションで無難なものと考えられ、米国市場が休場であることも相まって、大きな材料もなく上値の重い展開が予想されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)