アメリカにおいては、ISP(インターネット・プロバイダー)は出版社か、即ち検閲責任があるか、電話屋か、即ちインフラの提供者であって検閲責任がないか、という議論が盛んにされて来ました。掲示板の書き込みについて削除する責任をISPに持たせるか否か、というのがもっとも分かりやすい例になります。検閲する責任、義務といったものは、いずれ事前検閲する権利に変化して行く可能性もありますし、個人的には私は電話屋派です。ちなみにアメリカにおいては電話屋派への収束を見せ始めているようですが、日本においてはこれから議論が始まりそうです。しばらくは様子見ですね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。