東京の地名には、江戸時代の名残を残すものが多くあります。私は一時古地図を見るのに凝った時期があったのですが、中々面白いものです。東京のど真ん中、赤坂の近くに紀尾井坂という地名がありますが、これは紀伊、尾張、井伊の三家がその地にあったので、その間にあった坂の呼称です。弊社のある神田錦町は、あの慶喜で有名な御三卿一ツ橋家の向かいですが、江戸時代は幕府軍の兵倉や訓練場があった所のようで、地面の区画もおおざっぱで町家のあった趣もなく、殺風景な所です。一ツ橋という地名はかろうじて残っていますが、かつてはそこにあった一橋大学も今はなく、その同窓生のための如水会館があるだけです。昔そこに何があったかに思いを馳せると、中々趣きがあるものです。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。