ネットベンチャーという言葉が頻繁に使われ、記事の見出しなんかにも好まれて使われているようですが、インターネットはあくまでもインフラであって、いわば新時代の電話のようなものだとすると、この言葉もいずれ死語になるでしょう。電話が発明された頃には、電話絡みのいろいろな新会社やビジネスがあったでしょうが、早晩電話は社会インフラとして当たり前のものとしてあらゆるビジネスの一部になって行った訳です。電話の恩恵によって成長したビジネス・企業は電話屋さんだけではありません。むしろ電話屋さんは恩恵を受けた企業全体からみると微々たるものでしょう。「電話ベンチャー」と言うと奇異に聞こえますが、「ネットベンチャー」もいずれそう聞こえるようになるでしょう。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。