アメリカ大統領選で、ドナルド・トランプ氏が再選を果たしたことを受け、テスラ株は昨日までで46%上昇しました。いわゆるトランプトレードです。ところが、このテスラや暗号資産をはるかに上回る上昇を遂げた銘柄がありました。

店頭公開銘柄のファニーメイ(Fannie Mae)とフレディマック(Freddie Mac)です。両社の株式は、いずれも選挙前日比で5倍以上に上昇しました。

その背景には、トランプ氏が前任期中から推進していた両社の完全民営化への思惑があります。

ファニーメイとフレディマックはアメリカの住宅ローン市場を支える政府支援企業(GSE)ですが、2008年の金融危機時に経営が悪化し、公的管理下に置かれました。その後、両社の業績は回復したにも関わらず、いまだに公的管理が続いています。トランプ氏は前政権時代にも公的管理の終了にチャレンジしています。実現すれば経営の自由度や株主の利益が拡大するという思惑から株価が上昇したものです。政府としても、これにより大きな収益が期待できるとされています。これらの経緯についてニッセイ基礎研究所の小林正宏さんが詳しく分析しています。

しかし、これを実現するためのハードルは相当高いと思われます。ファニーメイ・フレディマックの信用力が低下する可能性もあることから、住宅ローン金利への影響が懸念されます。また、両社の資産規模は、それぞれJPモルガンに並ぶ3~4兆ドルで、両社合わせると、なんとFRBのバランスシートを超える約7.6兆ドル=1140兆円と巨大です。これが店頭公開から正式な上場企業となる場合、株式市場全体への影響も大きいと思われます。

再上場できるのかどうかはトランプ氏の他の政策とも複雑に絡むので、地味な話題ながら大いに注目していきたいと思います。