相場はかなり荒れておりますが、敢えて相場から離れた話題にしましょう。この週末にオーストラリアで行われたF1レース開幕戦で、8年ぶりにF1に参戦しているホンダが2台とも1位と同ラップで完走し4位と6位に入賞しました。いやー、本当に素晴らしいですね。ホンダにとってこれは3回目のチャレンジです。お金はかかる。宣伝効果は実はそれほど無い。スポーツカー文化の低い日本からの、必ずしも経験豊富でもなく、また実業にも還元しにくい技術分野での競争。今回はシャシーの設計にも関与しています。そしてコミュニュティーは基本的に極めてヨーロッパ的・閉鎖的で、特に日本のチームにとっての敷居はとても高いでしょう。そんな中での飽くなきチャレンジ。そして結果。私はクルマやモーター・スポーツが好きですが、それ以上にホンダの姿勢に感動します。本場で内容で勝負する、しっかりとした遠くを見つめる目。そんないい意味での若さを感じさせる彼らのチャレンジを応援して行きたいと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。