東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、大幅続伸となりました。米国大統領選挙での開票速報が報じられる中で、激戦州であるノースカロライナ州でトランプ氏の勝利が伝わる等、市場がトランプ氏の再選を織り込んだ様子がうかがえました。

前場は、前日の米国株式市場において主要3指数が揃って上昇したことを背景に203円高の38,677円で寄り付いた日経平均は、ドル円相場にて円の下落等を材料に好調に推移しました。その後も勢いを落とすことなく、866円高の39,341円で前引けとなりました。

後場も序盤は前場の流れを引き継ぎ、12時50分には一時1,189円高の39,664円と本日の高値となる大幅上昇をみせました。その後は利益確定の売りが入り、上げ幅を縮小するも、14時を過ぎると再び上昇し、最終的には1,005円高の39,480円で取引を終えました。

新興市場では、東証グロース250指数が3日ぶりに反発、0.5%高となりました。

2.個別銘柄等

米大統領選でのトランプ氏優勢報道を受けて、防衛機能の強化が要求されるとの思惑から、防衛関連株が軒並み上昇しました。中でも、IHI(7013)は、前日比1,500円(19.3%)高の9,280円をつけ、年初来高値を更新する大幅反発、ストップ高となりました。取引時間中に、今期の中間決算を発表し、通期での営業利益を従来から350億円上方修正、また年間配当も従来から20円増額見込みであることが評価されました。その他防衛関連銘柄である三菱重工業(7011)は9.9%高、川崎重工業(7012)は7.3%高で取引を終えています。

メルカリ(4385)は前日比347.5円(16.0%)安の1,824円をつけ、値下がり率は東証プライムトップとなる大幅反落となりました。5日の第1四半期決算において、コア営業利益は前年同期比13.1%減の40億円と減益を嫌気した売りが多く集まりました。

横河電機(6841)は前日比188円(5.5%)高の3,598円をつけ、大幅続伸となりました。中間決算にて、累積営業利益は前年同期比7.7%増の363億円と概ねコンセンサスに沿った堅調な決算内容が買いを呼びました。

本日の取引時間中に決算発表をした完成車メーカーは明暗の分かれる結果となりました。トヨタ自動車(7203)は前日比45.5円(1.7%)高の2,684.5円をつけ、続伸となりました。中間期時点の累積営業利益は前年同期比3.7%減の2.4兆円と減益となるも、年間配当を前期から15円増額の90円とする計画が好感されました。本田技研工業(7267)は前日比、一時124.5円(8.2%)安の1,391.5円をつけ、5日続落となりました。通期の当期純利益を従来予想から500億円減益となる見通しを発表し、減益幅の拡大が嫌気されました。

その他の銘柄では、日本郵船(9101)が通期の営業利益を従来から下方修正することが伝わり、3.9%安となった他、アクティビストファンドのオアシス・マネジメントが大株主になったと伝わったコクヨ(7984)が12.5%高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、米国大統領選挙の速報が取引時間中に多々伝わる中で、優勢と報じられたトランプ銘柄や、メルカリ(4385)や本田技研工業(7267)等、決算が振るわなかった銘柄の売買が目立ちました。

明日に向けて、大統領選挙の動向次第で値動きが大きくなる相場にも身構えながら、FOMC(米連邦公開市場委員会)の定例会合に注目です。市場では0.25ポイントの利下げが確実視されている中で、現在の経済動向についてどのような話し合いがもたれるか、利下げパスのアップデートがされるかに注目が集まります。パウエル議長の会見は8日未明に予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)