先週までの「8日連続陰線」は戻り売りをこなす動きと考えられる
日経平均は8月上旬の急落で、長期トレンドを示す52週移動平均線(以下、52週線)を一気に下回る展開となりました。戻った後も再び下回る場面はありましたが、52週線が依然として上向き基調にあったことが底堅く推移した要因だったと判断できます。大きなトレンドの流れをみるためには、52週線の方向が重要です。しかし、52週線だけが上向きであればよいわけではなく、短期の13週移動平均線(以下、13週線)や中期の26週移動平均(以下、26週線)の向きも重要です。
直近高値をつけた10月15日時点で、自民党総裁選があった9月27日の高値(39,829円)を上回り、13週線や26週線上まで早々に回復する動きとなりましたが、先週(10月14日週)は26週線が下向きからやや上向きに変わったばかりであったことや、13週線は依然として下向きで推移していたため、株価の上値が抑えられた可能性があります。
先週(10月14日週)末までの「8日連続陰線」もそのような状況が影響していたように思います。連続陰線は耳で聞くとよい印象は受けませんが、出方や出る位置によって考え方が違うのです。高値形成後に出現する連続陰線は意味のある弱気サインになりえますが、今回のような保ち合いの中で出現するような連続陰線は戻り売りをこなす動きです。今回の8日連続陰線は8日間で350円程度しか下げていません。したがって、8日陰線が続いても下げない相場は逆に強い、と考えた方がよいかもしれません。週明け10月21日も微妙に陰線が続きましたが、ここから「陽線」が連続すれば、売り切ったサイン「上げサイン」と考えられます。
今後は3月や7月の高値水準と同じレベルの上昇に期待
今週(10月21日週)は13週線も13週前の株価水準が今よりも低くなってくることで、上向きに変化する可能性が高まりつつあります。そうなれば、短期・中期・長期の3本線が近づきながら同時に上向く好転につながり、3月や7月の高値水準と同じレベルの上昇を期待できる局面に変わると想定できます。
留意が必要なのは、日経平均は昨年の夏場以降、高値と高値の間に17~18週の周期が確認できることです。2024年3月の高値から7月の年初来高値までも17週でした。さらに、7月高値からは今週(10月21日週)で16週目に入っています。1週後となる10月最終週や2週後の11月第1週には、円安や米国株高の一服、米大統領選の結果などを背景に次の高値つけ、短期的な調整に入る可能性も高いでしょう。ただ当面は、テクニカル面の好転を通じて、短期的な調整後は再び17週後あたりに高値をつけにいく、そのようなリズムが期待できるのではないでしょうか。