よくリクルート学生の方などから、どういう人がトレーダーに向いているかなどと聞かれことがあります。私はいつも異質なものと「コミニュケーション」する能力に長けている人だと答えました。ただし実はこれはトレーダーだけでなく、セールスマンなども同様だと思います。セールスマンは、特に債券ビジネスのように取次ではなくお客様の売買に対して自己でポジションをとることが主体な場合には、「お客様」と「トレーダー」というある意味で真っ向から相対する二者間において取り引きを成立させるべく調整をします。
一方トレーダーも「マーケット」というとてつもなく大きく、あらゆる人の様々な思惑が交錯し、ある時は国が相手になり、かつ突発的にニュースが出たり、そしてそのニュースの伝達にむらがあったりするなどという、「異物」と格闘しなければならず、ひとりよがりで勝ち続けられる由もありません。
常に細心の注意を払って、臆病にマーケットと付き合うことのできる人たちが、トレーダーらしいトレーダーです。では「異質なものとのコミニュケーション」って、一体どんなものでしょうか?
私は常々、異性と付き合うことにどこか似ていると思ってきました。