【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 41,954.24  ▼398.51 (10/7)
NASDAQ: 17,923.90  ▼213.95 (10/7)

1.概況

米国株式市場は、反落となりました。先週末の雇用統計で市場予想を上回る力強い結果が示されたことにより、大幅利下げの期待が後退し米長期金利が上昇したことで、金利高が重しとなりダウ平均は63ドル安でスタートしました。その後も、中東情勢の悪化やハリケーンの勢力拡大への懸念が広がり、相場は終日軟調に推移し、最終的にダウ平均は398ドル安の41,954ドルで引けました。ハマス襲撃から1年目となった10月7日、イスラエルのネタニヤフ首相が「人質奪還の義務がある」と述べ、戦闘継続を表明したことで中東情勢の悪化が懸念されました。また、原油供給への影響を受けて米原油先物相場が大幅に上昇し、原油高によるインフレ再燃懸念も相場を圧迫しました。さらにハリケーンの勢力拡大に伴う被害の懸念も売りを広げました。

2.経済指標等

8月の消費者信用残高は前月比89.3億ドルとなり、市場予想の120億ドルを下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーの1業種のみが上げました。一方、10業種が下げ、公益事業は2%超の下落となったほか、コミュニケーション・サービスや一般消費財・サービスは2%近く下落、金融や生活必需品は1%以上下落となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、ボーイング[BA]、アイビーエム[IBM]、キャタピラー[CAT]、シェブロン[CVX]の4銘柄が上昇しました。一方で、26銘柄が下落し、特に保険会社のトラベラーズ・カンパニーズ[TRV]は、ハリケーンの勢力拡大から保険コストの増大が懸念され4%超の下落となりました。そのほか、アマゾン[AMZN]は3%超下落、ウォルト・ディズニー[DIS]やウォルマート[WMT]、アップル[AAPL]は2%超下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、フロリダ州を襲うハリケーンの影響で損害保険会社の株価が急落しました。同州で保険会社を運営するヘリテージ・インシュアランス・ホールディングス[HRTG]は23.4%下落、ユニバーサル・インシュアランス・ホールディングス[UVE]は19.5%下落、HCIグループ[HCI]は17.3%下落しました。一方で、発電装置メーカーのジェネラック・ホールディングス[GNRC]はハリケーン接近による非常用発電機の需要増が見込まれ、8.5%上昇しました。そのほかでは、製薬会社のファイザー[PFE]は、アクティビスト投資家であるスターボード・バリューが同社の株式を約10億ドル相当取得したという報道を受けて2.2%上昇しました。また、オンラインで医薬品サービスを提供する新興企業のヒムズ&ハーズ・ヘルス[HIMS]は、スタンダードアンドプアーズ社が同社株を小型株600種指数に採用すると発表し、10.1%上昇しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い4.02%となりました。一時4.03%と8月上旬以来およそ2ヶ月ぶりの高水準を付けています。ドル円は、148円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。そうしたなか、日経平均は節目の39,000円を維持できるかどうかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)