東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、3日続伸となりました。前日比604円高の39,239円で寄り付いた日経平均は、前週末の堅調な米雇用統計の結果を受けてソフトランディング期待が高まり、ダウ平均株価が史上最高値を更新、日本市場も流れを引き継ぎました。

前場は、ドル円相場が1ドル148円台と円安で推移したことを背景に、自動車や電気機器等の輸出関連株が指数を押し上げ、前日比719円高の39,354円で引けました。

後場も堅調に推移し、14時40分ごろ本日の高値である925円高の39,560円をつけました。しかし引け間際には利益確定売りに押され、697円高の39,332円で取引を終えました。

新興市場では、東証グロース250指数が小幅に反発、0.4%高となりました。

2.個別銘柄等

ディスコ(6146)が前日比、2,490円(6.3%)安の37,220円で取引を終えました。4日に発表した、第2四半期の個別売上高、出荷額の速報において、出荷額が前四半期の857億円から1.3%減の846億円であったことが、売り材料となりました。出荷額は、売上よりも市況の先行指標とみなされ、先行きの半導体市場の弱まりが懸念されたことが売りにつながっています。

決算銘柄では、産業用ロボット大手の安川電機(6506)が前日比、一時122円(2.4%)安の4,901円となりました。4日に2025年2月期の中間決算を発表するも、通期の連結営業利益が、前期比3.4%減となる640億円となる会社見通しを発表、従来の会社予想であった700億円から下方修正、かつ減益転換となった決算内容を受けて、売られる展開となりました。

ウェザーニューズ(4825)は一時前日比、760円(13.7%)高の6,300円と、年初来高値を更新する大幅高となりました。2025年5月期の第1四半期決算では本業のもうけを示す営業利益が前年同期比9.6%増の4億5,500万円と成長をみせたのと同時に、来月11月30日を基準として1:2で株式分割を実施することを決定、分割後の年間配当を実質増配すること等、ポジティブな決算内容を好感する買いが集まりました。また同社は8月から株主優待を拡充していますが、優待の基準株式数を分割後で100株以上と株主還元を拡充しています。

ハイデイ日高(7611)は前日比、一時57円(2.1%)安の2,638円と軟調に推移しました。2025年2月期の第2四半期決算で、営業利益は前年同期比15.7%増、通期予想に対する進捗率も53.5%と堅調な結果を示すも、通期の見通しは据え置かれ、特段サプライズもなく市場コンセンサスにも届かなかったことから売りが優勢となりました。

その他の銘柄では、米国の大幅利下げ期待が後退したことから、日本の長期金利も約1ヶ月ぶりに0.9%台まで上昇したことを背景に銀行株が買われました。個別銘柄では、三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が前日比51円(3.5%)高の1,531円、りそなホールディングス(8308)が前日比83円(8.7%)高の1,043.5円と好調でした。また取引時間中に、サウジアラビア政府系ファンドが日本のゲーム会社の株式買い増しを検討中と報じられ、任天堂(7974)やコナミグループ(9766)にも買いが集まりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、前週末の堅調であった雇用統計と最高値を更新したダウ平均株価等、ポジティブな材料が多く大幅高となりました。主だった経済指標も控えておらず、明日は中東情勢関連の新たなニュースがリスクとなるでしょう。ハマスによるイスラエル急襲から1年を迎えますが、足元では最大規模の攻撃が行われているとのニュースもあり、一層の緊張感が持たれます。

また、ディスコや安川電機は先行きの不透明感が本日の株価材料となりました。今月下旬から本格化する今後の決算で不安感を払えるか、注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)