以前ゴールドマン・サックスの共同会長で、米国財務省長官に就任し辣腕を振るい、最近辞任したロバート・ルービン氏が、今度は何とシティー・バンクの共同会長に就任しました。「リボリング・ドアー(回転扉)」とよく言われる、このアメリカにおける官民の交流は、確かに行き過ぎるといろいろと問題もあるでしょうが、一般には官にも民にもいい影響の方が多いようです。
もう一つ重要なのは、このようなことがあまり問題視とされないことの背景には、きちんとしたルールが確立されていて、不透明な部分がなく、認知されているのでしょう。日本においては、このようなルール作りがまず大切だと思われます。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。