東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。377円高の39,025円で寄り付いた日経平均は直後に432円高の39,080円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと62円高の38,709円で前場を終えました。

10円高の38,658円でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後にマイナスに転じると13時10分過ぎに171円安の38,476円まで下落しましたが、節目の38,500円を割り込んだところで下げ渋ると持ち直し結局53円高の38,700円で取引を終えています。

一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

セブン&アイ・ホールディングス(3382)が一時4.1%高となりました。カナダのアリマンタシォン・クシュタールによる買収提案に関し、株主の米資産運用会社がアリマンタシォン・クシュタールとの交渉が最良だといった内容の書簡をセブン&アイ・ホールディングスに送ったと伝わったことで、買収交渉の進展に期待した買いが入りました。

パナソニックホールディングス(6752)も一時2.6%高となりました。未定としていた2025年3月期の年間配当を前期より5円多い40円にすると発表したことを好感した買いが入りました。

また、防衛省が来年度予算案の概算要求で過去最大となる8兆5389億円余りを求めることを決めたことから防衛関連株の一角が買われました。IHI(7013)が一時5.5%高となったほか、川崎重工業(7012)も一時5.4%高となり、IHIは年初来高値を更新しました。

上期決算を発表した半導体化学薬品メーカーのトリケミカル研究所(4369)も一時13.0%高となりました。主要な販売先である半導体業界が生成AI関連の需要増等を受け回復に転じていることなどにより出荷が想定を上回って推移していることから33億8000万円とみていた通期の営業利益の見通しを39億円に上方修正したことで上げ幅を広げました。

バイオ創薬のネクセラファーマ(4565)も一時5.1%高となりました。提携先の米ニューロクライン・バイオサイエンシズ[NBIX]から新薬の開発の進捗に応じて得るマイルストーンとして3500万ドル(約50億円)を受け取ると発表したことで買いが優勢となりました。

さらに安川電機(6506)が投資判断の引き上げを受けて一時4.5%高となり、東京センチュリー(8439)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時8.6%高となり年初来高値を更新しています。

一方で大手防災設備メーカーのホーチキ(6745)が8.9%安となりました。エア・ウォーター(4088)やアイホン(6718)など5社が保有するホーチキ株を売り出すと発表したことで需給の悪化を警戒した売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は53円高となりました。先週末の米国市場でダウ平均が連日で史上最高値を更新したことに加え、円安も追い風となり買いが優勢となりました。

しかし、朝方には430円以上上げる場面もありましたが、戻り待ちの売りが出て節目の39,000円を小幅に上回ったところで伸び悩むと上げ幅を縮め、146円台で推移していたドル円が一時145円台後半まで円高に振れたことでマイナスに転じる場面もありました。

そのため上値の重さが意識されそうで、当面はドル円の動向に神経質な展開が続きそうです。なお、今晩の米国市場はレーバーデーの祝日で休場です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)