75日移動平均線に接近するも上値が重たい展開

今週で波乱の8月相場が終わろうとしていますが、月末最終週の東京市場は高値もち合いとなっています。その理由は、上向きの5日移動平均線上を維持しているものの、緩やかな下向きを続ける75日移動平均線に上値を押さえられているからです。

仮にこのまま75日移動平均線を突破できないようであれば、5日移動平均線上を維持できずに割り込むことが考えられ、上向きの200日移動平均線辺りまで反落することが視野に入ってきます。

また、上向きの200日移動平均線辺りまで下落した場合、8月15日と16日の間にあけた窓を埋める水準まで下落が続くことも考えられ、株価水準の切り下がりに注意が必要です。

一方で、75日移動平均線上を回復して維持するようであれば、39,000円台に乗せたり、4万円に接近したりすることが期待されますが、一気に75日移動平均線を上回ることができないのはなぜでしょうか。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※ 移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムとシグナルの低下が示す意味とは

モメンタムの向きや水準を見ると、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回っているものの、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、下向きで低下しているのが分かります。

こうした状況から、上昇の勢いが徐々に低下していると考えられ、75日移動平均線に接近しても一気に上回ることができないのです。

75日移動平均線を上回って維持するための条件として、モメンタムが上向きに変化する必要があると思われます。

また、上向きに変化したあとに、8月20日につけた高水準に接近することが重要になります。なぜなら、この水準に接近できないと上昇の勢いが強まっても限定的となり、押し返されてしまう可能性があるからです。

このように、モメンタムとシグナルの両方が低下していたり、低下が続いたりしている間は、75日移動平均線を上回って維持することは難しいと考えられることから、モメンタムとシグナルの向きと水準に今後も注意し、売買判断に役立てるようにしたいところです。