・世界各国の主要株価指数の月初来の動きをみると大きく調整しているように思える。一方で、年初来から見るとまだ十分パフォーマンスが出ていると言える。
・米ISM製造業景況感指数とS&P500指数は基本的にはフィットして動いているが、景況感以上に株価が上昇し、期待が先取りするような形で株価を押し上げてきたと考えられる。日米の金融政策により転換点が見受けられるので、これまでの期待は正しかったのかどうかこれからは現実の経済をチェックするような局面にきたと感じている。
・ニューヨーク連銀のナウキャスト、7~9月のGDP予想は、日々経済指標によってぶれるところはあるが全体として2.24%の成長が見込まれている。目立って悪い状況ではない。期待が高すぎたためポジション調整が起きたが、景気に異変をきたしている感じは見受けられない。
・S&P500と小売売上高の推移は連動している。コロナ禍以降、補助金もある中で消費がトレンドを上振れる形でここまで来たが徐々に伸びは鈍化している。過剰貯蓄はおおむねなくなり、賃金の上昇も落ち着きつつある。金利負担が出る中、延滞率も増えてきている。
・事前に8%ぐらいの伸びと予測されていた決算全体の結果は約13%伸びていた。小売りは順調に推移してきたが、サービス消費は慎重な見方が増えている。循環的にピークに来ているのかもしれない。実体経済の動向が注目される。
・金利について、FRBの年内利下げ回数は4回。ソフトランディングではなく、結構な景気減速になるため、かなり警戒モードに入っているのではないか。
・為替のCFTC統計の投機筋の円ポジションはほとんどなくなった。いったんリセットされたと考えられる。ここから二番底なのか、高値をもう一度戻しに行くのか、実体経済の動向が注目される局面に入ってきたと感じている。