相場が大荒れの中、昨日まで香港に出張していました。歴史的な下落相場となった8月5日(月)の夜、様々な心配を抱えつつ、機内WiFiを使って連絡を取りながら、香港に飛びました。そして、昨夜は波乱の帰国路となりました。雷雲の影響でなかなか羽田空港に着陸できず、30分ほど海上を旋回した後、「成田空港に向かいます」とのアナウンス。天気のことですから仕方ない。で、成田空港に到着後、手荷物を出し、いざ降りようという時に、今度は、「検疫と給油を済ませて羽田空港に向かいます」と再びアナウンスが…。え?!降りたい…。しかし国際線ということもあり、降りたくても降りられず、機内で待つこと約1時間。すると、「やっぱり悪天候で羽田空港には向かえないため、ここ(成田空港)で打ち切りとなります」と。ぎゃー!!!そのアナウンスからさらに約30分後にようやく降機。私は手荷物を預けていなかったため、すぐに入国審査と税関を通過したのですが、多くの方は、預けた荷物を待ち、ようやく入国できた時にはすでに終電直前。どうにも動きが取れず、大混乱だったと思われます。何においても、予測不可能なことはしばしば発生しますね。相場同様、波乱に満ちた帰国でしたが、この貴重な体験を学びにつなげたいと思います。

改めての気づきです。
1. 時間はコストである。今回、羽田に戻ろうとせず成田で早めに降ろしていれば、あるいは、打ち切り判断をもっと早められていれば、終電ギリギリに成田で解放されることなく、交通手段含めてより多くの選択肢を確保できたでしょう。

2. 読めない(計算できない)リスクは避けるべき。天気が良くなるのを祈るのは一つの手段ですが、コントロールできない要素に賭けるのはサイコロを転がすようなもの。無謀なリスクテイクは避けるべし。

3. ライドシェアの必要性。外国人はもとより、交通手段確保に困難を抱えた人も多かったと思います。ライドシェアの選択肢があっても良いですね。

さて、今年3回目の香港出張でした。金融機関が多く集まる香港は、国際金融都市のランキングで4位にランクインしています。香港では、キャピタルゲインもインカムゲインも基本的に非課税です。金額上限なしのNISA状態とも言える環境ですね。さらに、法人税や所得税も低く、資産運用において非常に有利です。世界トップクラスの国際金融センターとして、香港に拠点を置く企業や投資家にとって魅力的な政策を提供し、経済成長を促そうという意図です。一方で日本(東京)は、国際金融都市のランキングを落とし続けています。投資家にとって魅力が乏しい地域として評価されており、今回の出張でも、訪問先の方から、「税制が変われば資産も事業も日本に移すんだけどなぁ」との声を耳にしました。多くの人が指摘しているように、資産運用立国を実現するためには、税制改革と経済成長を結び付けたグランドデザインが必要不可欠です。日本が国際金融センターとしての地位を取り戻し、資産運用大国となるために何が必要か、これからも考えていきたいと思います。