【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 38,886.17 △78.84 (6/6)
NASDAQ: 17,173.12 ▼14.78 (6/6)
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は労働市場の過熱感が薄れていることを示す指標の発表が相次いでいることによる利下げ観測が支えとなり上昇となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は半導体株などに利益確定の売りが出て下落となりました。18ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に196ドル高まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと午後に入ってマイナスに転じる場面もありました。しかし、下げ渋ると引けにかけて持ち直し結局78ドル高の38,886ドルで取引を終え3日続伸となっています。一方でS&P500株価指数が1ポイント安の5,352ポイントと5日ぶりに反落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も14ポイント安の17,173ポイントと4日ぶりに反落となりました。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比8000件増の22万9000件と改善を見込んでいた市場予想に反し悪化しました。また、1-3月期の米労働生産性指数改定値は年率換算で前期比0.2%上昇し市場予想を上回りました。4月の米貿易収支の赤字額は前月比8.7%増の745億5800万ドルとなっています。さらに欧州中央銀行(ECB)は理事会で4年9ヶ月ぶりとなる利下げを決め、政策金利を0.25%引き下げています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスやエネルギー、生活必需品などの8業種が上げ、一般消費財・サービスは1%近く上昇しました。一方で公益事業と資本財・サービス、情報技術の3業種が下げ、公益事業は1%安となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では17銘柄が上げ、アクティビスト(物言う株主)が株式を追加取得したことが明らかとなったセールスフォース[CRM]が2%を超える上昇となったほか、アマゾン・ドット・コム[AMZN]も2%余り上げています。ナイキ[NKE]とプロクター・アンド・ギャンブル[PG]も1%以上上げました。一方で13銘柄が下げ、インテル[INTC]が1%余り下げています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体株が軟調で、マイクロン・テクノロジー[MU]とウエスタン・デジタル[WDC]が2%を超える下落となり、エヌビディア[NVDA]とクアルコム[QCOM]も1%以上下げています。カナダのスポーツ衣料のルルレモン・アスレティカ[LULU]は決算で1株利益が市場予想を上回ったことや、通期の業績見通しを上方修正したことから5%近く上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い4.29%となりました。ドル円は155円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか今晩に米雇用統計の発表を控えていることから様子見ムードの強い一日となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)