先週金曜日に経済産業省から半導体・デジタル産業戦略検討会議の内容が出ていました。同産業の成長性や日本の取り組みがわかる資料なのですが、生成AIの需要は2030年にかけて年平均47%、世界では同53%増加見通しと、経済のけん引役として大きなテーマの一つです。

我々は今エヌビディア株の驚異的な伸びを見ていますが、期待を反映するバリュエーションよりもAI普及の実態を反映する業績主導での株価上昇という点がまた驚きです。実際に私も生成AIは公私で活用していますし、もはや生活の一部といえます。AIがどのような形態で普及してどのようにマネタイズされていくのか、取り組む各社の今後の株価カタリストでしょうが、中長期的にはその流れは想像に難くないでしょう。

ところで次の景気後退が来るときAIはどのように景気サイクルを助けてくれるのでしょうか。これまでも景気サイクルは山高ければ谷深しとも言われてきました。あらゆる企業がAI投資を検討する今、それが巻き戻るときの世の中の姿とは?

先進国の仕事の30%はAIにとって代わられると言われます。好況時は雇用もAI投資も伸びるでしょうが、不況時に企業は人員を削減するでしょうし、その代わりをAIは担うことができます。その点でAIの進歩は頼もしいようで恐ろしくも感じられます。次の就職先を困難にする存在にもなるAIは、消費主導の経済にとって次の不況を助長する存在になるかもしれません。Crisis Amplifier?(危機を助長するもの?)、週末に示されたIMFスタッフによるスピーチでも触れられていました。

新時代の到来。メタモルフォーゼとは?官民挙げてAIに関して管理、適応を検討と言われますが具体的にどうすればよいのか。我々も技術進化を見ているだけではなく、自身も進化してAIと共存する使命を負っているのですね。