東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日続伸となりました。127円高の40,942円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分弱で272円高の41,087円まで上昇しましたが、節目の41,000円を上回ったところで伸び悩むと上げ幅を縮め28円高の40,844円で前場を終えました。マイナスに転じ30円安の40,785円でスタートした後場の日経平均は取引開始から5分で101円安の40,714円まで下落しましたが、下げ渋ると持ち直し14時50分前には185円高の41,001円まで戻しました。しかし、41,000円を超えたところでは上値は重く引けにかけてやや上げ幅を縮めると結局72円高の40,888円で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

日本航空(9201)が一時3.7%高となりました。営業費用が燃油価格の下落による燃油費の減少などで予想を下回る見込みとなったことや、1月に発生した羽田空港での衝突事故に伴う機体保険金を計上する見込みとなったことから800億円とみていた通期の純利益の見通しを900億円に上方修正したことで買いが優勢となりました。C&Fロジホールディングス(9099)も24.5%上昇しストップ高となり上場来高値を更新しました。アマゾンジャパンの配送業務を手がけるAZ-COM丸和ホールディングス(9090)がC&FロジホールディングスにTOB(株式公開買い付け)による買収を提案したと発表したことで買いを集めました。シャープ(6753)も一時11.3%高となりました。苦戦が続いている液晶ディスプレー事業を縮小する方向で検討していると伝わったことで収益性や財務体質の改善を期待した買いが入りました。また、151円台後半まで進んだ円安を受けて自動車株が高く、トヨタ(7203)が一時2.4%高、日産(7201)が一時4.8%高、ホンダ(7267)が一時3.7%高、マツダ(7261)が一時2.4%高、SUBARU(7270)も一時2.1%高となり、トヨタとホンダは昨日に続いて上場来高値を更新しています。さらにツムラ(4540)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時6.4%高となり昨年来高値を更新したほか、くら寿司(2695)も目標株価の引き上げを受けて一時5.1%高となり昨年来高値を更新しています。一方でツルハホールディングス(3391)が一時5.1%安となりました。食品や化粧品の販売が好調で第3四半期の営業利益は前年同期比で6.8%増となりましたが、市場予想に届かなかったことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は72円高となりました。昨日の米国市場で半導体株に買いが入り主要3指数が揃って連日で史上最高値を付けたことから続伸となりました。一時は270円以上上昇し節目の41,000円を上回る場面もありましたが、41,000円を超えたところで伸び悩むと後場に入りマイナスとなる場面もみられました。しかし、今週に入り3日間で2,100円を超える上昇となっていたことからすると高値警戒感から41,000円を超えたところで上値が重くなるのは当然で、一時下げ幅を三桁に広げながら持ち直し昨日に続いて史上最高値を更新したことで先高観は依然として強いといえそうです。なお、日本時間の22時にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がFRB主催のイベントで挨拶を行う予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)