コロナ禍、COVID-19はもちろん風邪ひとつひかずにきたのが自慢でしたが、年の瀬に喉がイガイガ。いつもの喉ケアでは回復せず咳まで出てきたので慌てて病院へ。声が枯れては仕事にならないと強めの咳止め薬を処方していただいたのですが、病院近くの処方箋薬局を5軒ほど回っても咳止め薬が在庫切れ。仕方なく代替となるジェネリックを処方してもらいましたが、今、全国的に薬が不足しており、咳止め薬が処方してもらえないケースもあるようです。
薬が足りない。なぜ?
理由のひとつがジェネリックメーカーの品質不正。小林化工、日医工、沢井製薬などの製造工程や品質に問題があるとして次々に業務停止や改善命令が出され、2020年以降15社が処分を受けています。これにより多くのジェネリック薬品の供給がストップしてしまいました。ジェネリックならそれほど問題ないのでは?なんて呑気なことを言っていられません。今、日本ではジェネリック医薬品の使用割合が80.89%にまで達しているのです。2015年に打ち出された骨太の方針で2020年までにジェネリック使用割合を80%にするという目標が掲げられたことによるもので、これが見事に達成されたものですが、では、ジェネリックメーカーでなぜ不正が相次いだのか。
2016年、膨らみ続ける社会保障費を抑制するために毎年薬価を低く改定するという薬価抑制策が導入されました。ジェネリック薬価は毎年引き下げ改定を強いられ、利益が圧迫され採算が合わなくなってきているのだそうです。品質維持には高度人材教育が求められますが、薬価抑制策で余裕がなく人的投資が難しくなっているということのようです。また薬価下落で、日本市場は利幅の薄いマーケットだという評価から外資の参入も阻害され、ますます薬不足に陥る悪循環となっているようです。
咳風邪をひいてしまったことから日本の薬不足の実態を身をもって知ることとなりましたが、年末年始、皆さんも風邪など召されませんように。どうぞ良いお年をお迎えください!