東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅反発となりました。15円高の32,774円で寄り付いた日経平均は9時20分前に104円安の32,654円を付けた後9時50分過ぎに81円高の32,840円を付けるなど昨日の終値を挟んで小幅にもみ合うと40円高の32,799円で前場を終えました。しかし、昼休み時間中に日銀の金融政策決定会合の結果が発表されると後場に入って大きく上げ幅を広げる展開となりました。346円高の33,105円でスタートした後場の日経平均は引けにかけて一段高になると結局460円高の33,219円で取引を終え高値引けとなりました。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

日本製鉄(5401)が一時6.1%安となりました。海外での生産能力の強化に加え、脱炭素で電気自動車(EV)に使う高機能鋼材の需要が増えるなかでEV市場を取り込む狙いなどから米鉄鋼大手のUSスチール[X]を約2兆円で買収すると発表したことで買収負担の重さを嫌気した売りが優勢となりました。また、日本製鉄の大型買収の発表を受けて親子上場解消に向けた完全子会社化などへの思惑が後退し日鉄ソリューションズ(2327)が6.1%安、山陽特殊製鉄(5481)が10.1%安となったほか、東証スタンダード市場では大阪製鉄(5449)も一時10.7%安となりました。

一方で富士通ゼネラル(6755)が一時6.6%高となりました。大分県日田市の養鶏場で紫外線水平照射技術「n-UV技術」を搭載した装置を使用して鶏舎の空気環境を改善する実証実験を開始したと発表したことを材料視した買いが入りました。富士ソフト(9749)も一時6.1%高となりました。米運用会社のファラロン・キャピタル・マネジメントが富士ソフト株を買い増したことが関東財務局に提出した変更報告書により判明したことで買いが優勢となりました。Vチューバーグループを運営するANYCOLOR(5032)も一時8.3%高となりました。自己株式を除く発行済み株式総数の1.43%にあたる90万株、25億円を上限とした自社株買いを発表したことから大幅高となりました。また、目標株価の引き上げを受けて日本ハム(2282)が一時4.6%高となり年初来高値を更新し、投資判断と目標株価の引き上げを受けてコカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(2579)も一時3.8%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は460円高となりました。日銀の金融政策決定会合の結果発表を控え前場は様子見となり昨日の終値を挟んでもみ合う展開となりましたが、現行の金融緩和策の維持を決めた結果が昼休み時間中に発表されると後場に入って上げ幅を大きく広げ節目の33,000円を回復し、上値抵抗線となっていた25日移動平均線(33,158円)も上回って取引を終えました。そのため高値更新や年末株高への期待が改めて高まりそうです。なお、日本時間の22時30分には11月の米住宅着工件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)