福島から大きな林檎が届きました。毎年この時期になると実家から送られてくるのです。私の故郷には果物畑が15kmにも渡って連なる「フルーツライン」があります。春先はさくらんぼ、夏は桃、初秋はぶどう~梨、そして今の時期は林檎がたわわに実り観光名所にもなっています。果物畑はフルーツラインだけにとどまらず、通学路脇にも伸びていたため果物に囲まれて育ったようなものですが、田舎を出て東京で働くようになり、自分で果物を買おうと思うと、とても高価であることに気がつきました。果物を当たり前に買って食べることができない程度の僅かな給料で東京ライフはスタートしたのですが、季節になると両親が旬の果実を送ってくれるようになり、自身で果物を買うことは今でもほとんどありません。ありがたいことです。

手を伸ばせば届くところにたわわに実っていた林檎。美術の静物画の授業で果物を各自用意するよう言われていたのを通学路で思い出したのか、一つ捥いで登校したのを農家の方に見られ、こっぴどく叱られた同級生は今も元気だろうか?

小さな頃は父が剥いてくれた林檎。ナイフが使えるようになり、どれだけ細く長く林檎の皮を剥くことができるか夢中になったことなどを、毎年故郷から林檎が届く度に思い返すのです。

「An apple a day keeps the doctor away.」1日1コの林檎は医者いらずと言いますが、これ、実はイギリスの言葉だそうで、イギリスでは林檎の皮は剥かずに皮付きで食べるのが主流なのだとか。ぜひ、旬の林檎は福島産のものを!