日本株は上昇気流継続、11月末から12月上旬の動きには注意

日本株は大型・中型・小型の規模別を問わず、10月4日の「投資の日」を起点に上昇基調が続いており、特に11月に入ってからは大型中心に相場環境が好転しています。

10月以降の株価の動きを見る上で重要なポイントは、大型・中型・小型ともに10月26日の安値が10月4日安値付近で下げ止まり、10月4日安値を下回ることなく、逆に10月12日の戻り高値を上抜けたことです。

これによって、上値と下値を切り上げる強気サインが点灯したと判断できます。今回の強気サインが出たことで、日経平均ベースで考えると、34,400~34,500円処が1つの短期的な上値メドとして試算することができます。

一方で、大型・中型・小型の直近2019年から4年間の10月以降の値動きを見ると、11月までは順調に上昇する一方、12月は規模別に関わらず上昇が一服する習性が見られます。

企業の中間配当金の支払いが、12月上旬にかけて発生することなどもあり、市場では「11月末を含む週は株高」という、毎年この時期に聞かれるアノマリーがありますが、2019年以降はそこまで強くは言えず、直近2年間は逆に下落する結果になっています。2023年も11月末を含む今週から来週あたりの動きには注意が必要です。

米国株は短期的な高値警戒感。日本株に影響するかもしれない展開とは

米国株にも短期的な高値警戒感が強くなっています。S&P500は直近安値からの上昇が1割程度に達し、7月31日の戻り高値(4,588ポイント)付近まで上昇する強い動きになっていますが、25日移動平均線からの上方乖離率がプラス5%付近まで拡大していて、過去のリバウンド局面で頭打ちとなった水準感まで戻しています。

そして、史上最高値となった2022年1月3日の高値(4,796ポイント)を起点にして7月31日の戻り高値を通る上値抵抗線まで戻った水準感にあり、急反落がいつ生じても何ら不思議ではありません。

日本株と米国株は、2024年に向けて強い基調は継続すると思いますが、米国株の短期的な調整が12月の日本株の上値を抑えるという展開は十分に考えられると見ています。

11月26日執筆時点