日本の企業決算は最高益更新ペース

高校生の娘と一緒に電車に乗って新聞を広げると、「パパ、恥ずかしいからやめてよ!」と怒られる。「新聞を読むのが、なぜ恥ずかしいのか」と問うと、「いまどき紙の新聞なんて読んでいるのはパパだけだよ」と言う。車内を見渡すと、確かに紙の新聞を読んでいるのは僕だけで、ごく少数の人が本を読んでいる他は、残りのほぼ全員がスマホに目を落としている。僕はWプランなので電子版ももちろん利用しているが、紙には紙の良さがある。

今週月曜日の朝刊1面トップは - こういう表現は紙の新聞でしかできない - 上場企業の決算に関する記事だった。4~9月期決算を集計したところ、純利益が前年同期と比べ3割増と最高益を更新するペースだという。24年3月期通期の予想も13%増益と増益率が拡大している。実際、これだけ株価が上昇しても日経平均のPERは15倍に届いていない。予想EPSが上方修正されたからだ。

日経平均の予想EPS
(出所:筆者作成)

予想EPSの上方修正で日経平均3万4000円は射程範囲

日経新聞による日経平均の予想EPSは2,211円にまで高まってきている。僕は年末の日経平均を3万4,000円と予想しているが(従来の3万6,000円から下方修正)、このEPSのもとではPERが15.4倍になれば届く。じゅうぶん射程距離だ。決算発表は今日で佳境を迎えるが、まだ来週も相当数の決算発表が残る。最終的にあと2.5%、EPSが増加して2,266円になれば、PERは15倍ちょうどで3万4,000円だ。自然体で達成可能である。

さて、今週月曜日の朝刊の1面の上 ‐ NEWS & VIEWSというインデックスで紙面の主な内容を知らせるところに、「阪神、悲願の日本一 関西対決制し38年ぶり」という見出しを見た。1面の斜め下に目をやると「春秋」のコラム。こちらもタイガースの日本シリーズ優勝について書いていた。こういう記事の読み方は紙面ならではだ。電子版ではこうはいかない。

「春秋」は阪神が前回日本一になった85年の世相に触れ、そこから日本の国運40年周期説を紹介する。明治維新から日露戦争までの40年が上り坂。そこをピークに太平洋戦争敗戦までの40年が下り坂。そこから戦後の復興を辿り高度成長期を経て40年後の85年が最後のピークだ。85年はプラザ合意のあった年。同時に日本経済がバブルの絶頂に向かう時期でもあり、そこをピークに日本は下り坂を転がり落ちてきた。

しかし、約40年ぶりのタイガース日本一の今年、日本では物価が上がり、金利も上がった。転機なのかもしれぬ、というわけだ。40年周期説に立てば、下り坂のボトムは25年である。そこから再び坂を登れるだろうか。

40年周期なら上昇基調は続く

40年周期というのは、相場でもよく言われるサイクルだ。日銀審議委員の高田創氏は金融(金利)40年サイクルを唱えている。松本大は7月の「つぶやき」で、「コロナと世代交代」というコラムを書いて、「日本は、40年に1回くらいのインターバルで、世界の中で大きなパフォーマンスを実現するように見えます。今がその時ではないかと。」と述べた。

株式市場もまさに40年サイクルで動いている。20年かけてバブルのピークに駆けのぼった日経平均はバブル崩壊で20年かけて調整を完了。まさに40年でひと周りである。そう考えると、リーマン後の2009年に大底をつけた相場はすでに10年以上、上昇基調にあり、この流れは2029年まで続く。まだ6合目あたりと考えてよいだろう。

(出所:筆者撮影)