下向きの75日移動平均線に押し返される

前回のコラムで、「5日移動平均線上を維持するようですと、5日移動平均線が上向きに変化するとともに、下向きの75日移動平均線に接近したり、上回ったりすることが視野に入る」と解説しましたが、3連休明けの東京市場で2023年最大の上げ幅となる751円高となって一気に5日移動平均線を上回ると、5日移動平均線が上向きに変化するとともにサポートになり、10月12日には75日移動平均線を上回って終えるなど、解説した通りの展開になりました。

このように、単純なことのように見える移動平均線と株価の位置関係や移動平均線の向きを予測することによって、その後の値動きも予測できることがお分かりいただけたのではないかと思われます。また、このような予測を上手く活用できれば、日経平均のETFの売買タイミングを計ることも容易になってくるのではないかと思われます。

とはいえ、日経平均株価はなぜ75移動平均線に押し返されてしまったのでしょうか。その答えもチャートに隠されています。それは75日移動平均線が下向きのままだったからです。

10月12日に75日移動平均線を終値で上回りましたが、75日移動平均線が下向きで、翌営業日にすぐに75日移動平均線を終値で割り込んでしまっており、75日移動平均線上を維持できなかったことが、その後の下落に繋がったのではないかと考えられます。

ただ、10月16日に大きく下落したものの、下落が続く流れになっていないことが分かります。なぜ、651円安と大幅な下落になったにも関わらず、下落が続かなかったのでしょうか。

また、翌営業日となる10月17日に一旦大きく上昇して上向きの5日移動平均線を上回る場面がありましたが、なぜ押し返されて上ヒゲ陰線を形成してしまったのでしょうか。
その判断のカギを握るのがモメンタムです。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成

モメンタムが0ラインを挟んで、上下どちらに動き出すのか注目

モメンタムは上昇や下落の勢いを教えてくれるテクニカル指標です。大幅安となった10月16日のモメンタムを見ますと、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインをわずかに下回ったものの、モメンタムの移動平均線であるシグナルが0ラインを上回って推移しており、651円安となったにも関わらず下落の勢いは弱かったと判断できます。

一方で、10月17日のモメンタムを見ますと、上向きに変化はしているものの、0ライン近辺での推移となっており、上昇の勢いが強まったとは言えない状況です。

このような状況から、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの2本線が、0ラインを挟んで上下どちらに動き出すかが今後のトレンド発生のカギを握る重要なカギになると思われます。

仮に2本線が上昇して直近の高い水準を上回って水準を切り上げるようですと、75日移動平均線上を再び回復することも視野に入る反面、0ラインを下回って2本線ともに低下が続くようですと、5日移動平均線を下回るとともに、10月4日につけた安値に接近したり、下回ったりすることが視野に入るため、これまで以上に注意して見るようにしたいところです。