9月26日に発表された日銀の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」、予想通り上がってきましたね。具体的には、8月の加重中央値と呼ばれる値が、前月の1.6%から1.8%に上昇し、日銀目標の2%に一層近づきました。
この値は、日銀が、物価動向のトレンドを把握する数値として注目しているものです。2%には達していないとはいえ、欧米諸国のインフレがピークアウトする中で、この上昇継続はやはり注意してみるべきでしょう。
さらに、10月13日には、日銀から「生活意識に関するアンケート調査」の結果が出ます。そこでは、消費者の1年後のインフレ予想等が示されます。前回7月発表分では、何と10%のインフレ予想が示されました。
極端な予想ですし、そのまま当たるわけではないでしょう。でも、だからと言って決して軽視はできません。もし、こうした消費者のインフレマインドが高止まれば、インフレが自己実現するためです。
「予想はうそよ」などという回文で、人々の予想は的中しないものと揶揄されたりもします。が、当たるかどうかが問題なのではなく、予想の変動自体が人々のインフレマインド、いわば体温を示す重要な指標です。特にインフレの見通し判断が分かれる中で、日銀のスタンスを占うためにも、一層注視したいと思います。