東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて大幅続伸となりました。260円高の33,428円で寄り付いた日経平均は9時10分過ぎに223円高の33,391円を付けた後上げ幅を広げると11時過ぎに466円高の33,634円まで上昇し445円高の33,613円で前場を終えました。430円高の33,598円でスタートした後場の日経平均は14時過ぎに456円高の33,625円を付けた後伸び悩むと節目の33,500円を小幅に割り込む場面もありましたが、引き続き堅調に推移すると結局364円高の33,533円で取引を終えています。一方で新興株は軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が一時5.1%高となりました。傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングス[ARM]の米ナスダック市場での上場が好調な滑り出しとなり、時間外の取引で、さらに上げ幅を広げる展開となったことを好感した買いが入りました。原油先物価格の上昇を受けて石油関連銘柄も買われました。INPEX(1605)と出光興産(5019)が一時3.7%高、石油資源開発(1662)が一時3.0%高、ENEOSホールディングス(5020)も一時4.9%高となり揃って年初来高値を更新しています。パーク24(4666)も一時3.8%高となりました。国内の駐車場事業やカーシェアリングサービスが好調で第3四半期の営業利益が前年同期比で2倍となったことから上げ幅を広げる場面がありました。
しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むとマイナスに転じ2.9%安で取引を終えています。カジュアル衣料品店を運営するTOKYO BASE(3415)も一時19.3%高となりました。人流回復やインバウンド客数の増加により国内販売が好調で上期の営業損益が3億円を超す黒字に転換したことから大幅高となりました。Vチューバー事業を手がけるANYCOLOR(5032)も一時20.1%高となりました。Vチューバーのグッズ販売が好調だったことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で90.5%増となったことから買いを集めました。また、連想買いが入り東証グロース市場では同業のカバー(5253)が一時10.5%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は364円高となりました。英半導体設計大手のアーム・ホールディングスの上場が好調な滑り出しとなったことで投資家心理が改善し昨日の米国市場が上昇したことから買いが優勢となり節目の33,500円を回復しました。朝方には節目の33,500円を小幅に上回ったところで伸び悩む場面もありましたが、11時に発表となった8月の中国の小売売上高と鉱工業生産指数が市場予想を上回ったことで中国景気に対する不安感が和らいだことから上げ幅を広げ33,600円台に乗せる場面もありました。そのため7月3日に付けた高値(33,753円)回復への期待が一段と高まりそうです。
なお、日本時間の21時30分には9月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数と8月の米輸出入物価指数が発表されるほか、22時15分には8月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が、そして23時には9月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)