東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて4日ぶりに反発しました。161円高の32,629円で寄り付いた日経平均は直後に281円高の32,749円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと11時前には18円高の32,486円まで上げ幅を縮めました。しかし、節目の32,500円を小幅に下回ったところで切り返すと大引け間際に331円高の32,799円まで上昇し結局308円高の32,776円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ（9984）が一時3.8％高となりました。傘下の英半導体設計大手アームの米ナスダック市場での新規株式公開（IPO）について、募集の10倍の申し込みがあり予定より1日早く募集を締め切る計画と伝わったことを好感した買いが入りました。エービーシー・マート（2670）も一時5.6％高となり年初来高値を更新しました。全国的に猛暑が続いたことにより夏物商品の販売が順調で8月の既存店売上高が前年同月比で20.8％増と高い伸びとなったことから大幅高となりました。ディスカウント店の「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス（7532）も一時2.9％高となり年初来高値を更新しました。旅行や帰省といった外出機会が増えたことなどで国内の8月の既存店売上高が前年同月比で9.1％増となったことから買いが優勢となりました。東証スタンダード市場ではIT支援サービスを手掛けるギグワークス（2375）が31.5％上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。通販事業を展開する子会社の日本直販の株式の一部を作詞家の秋元康氏の関係者4人に譲渡し、秋元氏が日本直販の総合プロデューサーに就任したと発表したことを材料視した買いが入りました。

一方で本決算を発表した機能性素材や育毛剤を販売するファーマフーズ（2929）が一時10.0％安となりました。研究開発費や設備投資を増やすことにより2024年7月期の営業利益が前期比で7.5％減となる見通しを示したことで下げ幅を広げる場面がありました。しかし、朝方の売り一巡後に持ち直すと1.4％高で取引を終えています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は308円高となりました。ハイテク株への買いが続き昨日の米国市場が上昇となったことで反発となりました。朝方の買い一巡後に伸び悩むと長期金利の上昇を受けて一時は18円高まで上げ幅を縮める場面もありました。しかし、マイナスになることなく踏み止まると長期金利の上昇一服もあって持ち直し、昨日に上値を押さえられた一目均衡表の雲の上限（32,718円）を上回って取引を終えました。そのため節目の33,000円回復への期待も出てきそうです。なお、日本時間の13日午前2時には米アップル［AAPL］が特別イベントを開く予定です。

（マネックス証券　シニア・マーケット・アナリスト　金山 敏之）