上値抵抗線に注目

8月30日から9月5日までの間、日経平均は7連騰しており、今年5月11日から22日までの8連騰以来の記録となっています。

日足チャートを見ますと、8月28日に5日移動平均線を上回った後9月5日まで5日移動平均線上を維持し、上向きの75日移動平均線や下向きの25日移動平均線を上回るとともに7連騰する結果となっているのが分かります。

8日続伸になるようですと、8月高値に接近したり、上回ったりすることが視野に入ってきそうです。

ただ、ここで注意点があります。それは上値の抵抗線を突破できるかどうかです。その上値の抵抗線ですが、7月3日の終値と8月1日の終値を結んで延長した線になります。この線は株価の方向を示す「トレンドライン」と呼ばれますが、結んだ線が下向きで、株価の上値を押さえていることから上値の抵抗線、またはレジスタンスラインなどとして、上向きのトレンドラインであるサポートラインとは区別されます。

このレジスタンスラインを突破して維持できるかどうかが当面のポイントなるのではないかと思われます。

仮にレジスタンスラインを突破して上昇が続くようですと、8月1日に高値に接近したり、上回ったりすることが視野に入ります。しかし、上回っても維持できずに割り込んだり、割り込んだまま戻せなくなったりするようですと、5日移動平均線も割り込んで75日移動平均線や25日移動平均線辺りまで下落することが考えられますので、高値掴みにならないよう売買タイミングに注意する必要があります。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成

モメンタムとシグナルの低下に要注意

そのような中、上昇や下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見るとどうでしょうか。

9月5日現在で、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回っているものの、モメンタムがシグナルを下回ってクロスが発生しており、上昇の勢いが一旦ピークアウトしそうになっていることを示しているのが分かります。

そこで今後の展開についてですが、2本線がこのまま低下するようですと、どこかで株価の上昇が一服して横ばいや下向きに変化することが考えられます。

特に2本線が下向きに変化して低下が続くようですと、レジスタンスラインを突破しても維持できずに割り込むことが考えられます。また、上回ることができずに反落することも視野に入りそうです。

一方で、モメンタムが再上昇してシグナルを上回って上向きのクロスが発生するようですと、レジスタンスラインを突破して8月1日の高値に接近したり、上回ったりすることも期待できそうです。

いずれにしても、株価がこれまで押し返された水準にあることや、モメンタムが低下しかけていることに加え、週末9月8日にメジャーSQも控えていますので、トレンドとモメンタムの方向や水準に注意し、高値掴みにならないようにしたいところです。