6月27日の終値や25日移動平均線を突破できるか

8月も残り少なくなる中、日経平均は上向きの75日移動平均線と下向きの25日移動平均線との間での攻防となっているようです。

前回のコラムでは、「5日移動平均線上を維持するようですと、5日移動平均線が下向きから上向きに変化するとともに、5日移動平均線がサポートになって反発が続き、75日移動平均線を上回ったり、上回ったまま維持したりすることが期待されます。また、そうなれば下向きの25日移動平均線を上回ることも視野に入るため、反発が継続する可能性も出てくるのではないかと思われます」と解説しました。

そして、8月29日現在の日経平均株価は解説した通りの展開となっており、5日移動平均線上を回復した後、8月24日には一旦大幅安となったものの、上向きの5日移動平均線に沿って上昇しました。

また、8月29日は75日移動平均線を上回って始まった後、取引時間中に下向きの25日移動平均線を上回る場面がありましたが売り物に押され、結局、25日移動平均線と75日移動平均線の狭い間に挟まれて終える結果となりました。

このように25日移動平均線と75日移動平均線に加え、5日移動平均線も集まってきている状況を考えますと、これらの移動平均線を一気に上回ることが出来るかどうかが、今後の株価動向を考える上でのカギになると思われます。

また、3本の移動平均線を上回った場合に注目されるのが、6月27日の終値です。なぜなら、6月27日の終値はダブルトップを形成した時のネックラインになっているからです。
この水準を上回って維持するようですと、もち合いからの上放れが考えられるのではないかと思われます。

一方で、このネックラインの水準を上回って維持できずに押し返されたり、3本の移動平均線を下回って戻せなくなったりするようですと、再び32,000円を割り込むことが考えられるとともに、下降トレンドの発生が警戒されることになります。

そこで、もう1つ注目されるのがこのコラムのテーマとなっているモメンタムです。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成


モメンタムが上昇を継続できるか

前回のコラムでは「モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方の上昇が継続して、0ラインを突破することが反発を継続するためのカギになる」と解説しましたが、8月29日のモメンタムを見ますと、先週から水準を切り上げているものの、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインで押し返されているのが分かります。

このように、モメンタムが0ラインを超えていないことが、あと少しで25日移動平均線を超えられる水準まで切り上がっているにも関わらず、超えられていない要因ではないかと思われます。

そのため、モメンタムとシグナルの両方が0ラインを上回ることが出来るかが25日移動平均線を超えるためのカギになると思われます。

また、25日移動平均線に加えネックラインを超えるためには、モメンタムとシグナルの両方が上昇を続ける必要があります。今週はモメンタムが0ラインを上回って上昇を続けることができるのか、要注目の週になると思われます。