東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。226円高の31,792円で寄り付いた日経平均は取引開始から50分余りで340円高の31,906円まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと10時50分過ぎには128円高の31,693円まで上げ幅を縮めました。しかし、そこから切り返すと大引け間際に322円高の31,888円まで再び上げ幅を広げ結局291円高の31,856円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

エービーシー・マート(2670)が一時2.0%高となりました。新型コロナウイルスの5類感染症への移行に伴う外出機会の増加により国内需要が大きく回復し計画を大幅に上回るペースで推移していることから通期の業績予想を上方修正したことで買いが優勢となりました。しかし、5月に付けた上場来高値に並んだところで上値が押さえられると上げ幅を縮め小幅に下げる場面もありました。ハイデイ日高(7611)も一時11.6%高となり年初来高値を更新しました。新型コロナウイルスの5類感染症への移行にともない客数が回復していることなどで通期の業績予想を引き上げたことから大幅高となりました。ソフトバンクグループ(9984)も一時3.5%高となりました。傘下の英半導体設計大手のアーム・ホールディングスが米ナスダック市場に新規株式公開(IPO)を申請したと発表したことを好感した買いが入りました。

また、昨日の米国市場で画像処理半導体のエヌビディア[NVDA]が大幅高となったことなどで主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%近い上昇となったことから日本市場でも半導体関連株が高く、なかでもアドバンテスト(6857)が一時5.6%高となったほか、レーザーテック(6920)が一時4.2%高、ディスコ(6146)も一時4.3%高となりました。さらに米長期金利の上昇を受けてメガバンクも買われました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)と三井住友フィナンシャルグループ(8316)が3.2%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も2.5%高となりました。一方で国内大手証券が投資判断と目標株価を引き下げたことを受けてIHI(7013)が一時2.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は291円高となりました。昨日の米国市場でハイテク株が買われナスダック総合株価指数が大幅高となった流れを受けて続伸となりました。朝方の買い一巡後には伸び悩む場面もありました。しかし、一日を通して堅調に推移し昨日に上値を押さえられた5日移動平均線(31,653円)をしっかりと超えてきたことから警戒ムードもやや和らぎそうで、明日も買いが優勢となった場合には節目の32,000円や75日移動平均線(32,020円)を回復できるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の23時には7月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)