【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,282.52 ▼348.16 (8/2)
NASDAQ: 13,973.45 ▼310.47 (8/2)
1.概況
米国市場は大手格付け会社による米国債の格下げを警戒した売りが出たことや、長期金利の上昇を受けてハイテク株が売られたことで大幅反落となりました。78ドル安でスタートしたダウ平均は一日を通して下げ幅を大きく広げる展開となり、取引終盤には404ドル安まで下落しました。その後引けにかけてやや持ち直しましたが、上値は重く結局348ドル安の35,282ドルで取引を終え4日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も310ポイント安の13,973ポイントと続落となりました。
2.経済指標等
7月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は32万4000人増となり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品とヘルスケアを除く9業種が下げました。そのなかでも情報技術とコミュニケーション・サービスが2%以上下落したほか、一般消費財・サービスも2%近く下げています。また、エネルギーと素材、資本財・サービスも1%以上下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中22銘柄が下げました。そのなかでもインテル[INTC]が4%近く下落し、ウォルト・ディズニー[DIS]も3%余り下げました。ボーイング[BA]とマイクロソフト[MSFT]も2%を超える下落となっています。一方でウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]が3%を上回る上昇となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が7%安となりました。決算は市場予想を上回りましたが、人工知能(AI)向けの業績寄与や市場回復に慎重な見方が出て売りが優勢となりました。他の半導体関連株にも売りが波及し、半導体株ではエヌビディア[NVDA]が5%近く下げ、マイクロン・テクノロジー[MU]も3%を超える下落となりました。テキサス・インスツルメンツ[TXN]とブロードコム[AVGO]も3%以上下げ、クアルコム[QCOM]も2%以上下落しています。
半導体製造装置株ではラムリサーチ[LRCX]が4%余り下げ、アプライドマテリアルズ[AMAT]も3%を超える下落となりました。KLA[KLAC]も3%近く下げています。また、主力ハイテク株も安く、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]とアマゾン・ドット・コム[AMZN]、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]、ネットフリックス[NFLX]、テスラ[TSLA]が揃って2%以上下落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.06%高い4.08%となりました。ドル円は143円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の32,500円を割り込みそうで、朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)