ダブルトップ完成後の典型的な値動きとは?
前回のコラムでは、「下向きの5日移動平均線が上値の抵抗になるかどうかが注目ポイント」と解説しましたが、7月12日に32,000円を割り込む場面があったものの、その後5日移動平均線上を回復したことから、反発する展開となっているのが分かります。
そのため、5日移動平均線上を維持できるかが今後のカギになると思われます。仮に5日移動平均線上を維持するようですと、25日移動平均線に接近したり、上回ったりすることが視野に入り、ダブルトップを打ち消すことも考えられそうです。
一方で、25日移動平均線を上回っても維持できずに押し返されたり、25日移動平均線上を回復できずに5日移動平均線を下回って戻せなくなったりするようですと、売り物に押されることが考えられるとともに、その後の再下落に注意が必要になるのではないかと思われます。
なぜなら、ここで解説している株価の一時的な反発と25日移動平均線を超えられずに反落する値動きは、フォーメーション分析の中でリターンムーブと呼ばれ、いわゆる株価の「揺り戻し」で、売りの急所とされるところになるのです。
厳密にはネックラインの水準を終値で超えることができない場合を指すのですが、今回のケースではダブルトップが完成した後の下落が浅いことや、25日移動平均線の水準がネックラインに近いことから、25日移動平均線を超えて維持できるとリターンムーブとダブルトップの両方が打ち消されるため、33,000円台を回復するためのカギを握る水準になるのではないかと思われます。
モメンタムの低下は継続中
一方で、上昇や下落の勢いを教えてくれるモメンタムとその移動平均線であるシグナルの方向と水準はどのようになっているのでしょうか。
モメンタムを見ますと、2本線がともに上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回っているとともに、下向きとなっているのが分かります。
このような状態の時、株価は下落の勢いが強まっていることを示していることになります。株価が反発を続けても2本線の低下が続くようですと、25日移動平均線を突破して維持することは難しくなり、7月12日の終値を割り込んでリターンムーブが完成すると考えられます。
しかし、モメンタムとシグナルが上向きに変化するとともに、上昇が続いて0ラインを突破したり、0ラインを突破したまま維持するようですと、25日移動平均線に接近したり、上回ったりすることが考えられ、ダブルトップを打ち消すことが視野に入るのではないかと思われます。
株価は「生き物」とよく言われますが、今後25日移動平均線を上回る場面があるのか、また、33,000円台を上回って高値を更新することができるのか。微妙なところに差し掛かっていますので、変化の兆しを見逃さないようにしたいところです。