東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅反発となりました。162円高の32,106円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で9円高の31,952円まで上げ幅を縮めましたが、そこから切り返すと大きく上げ幅を広げ、後場に入り13時10分過ぎには540円高の32,484円まで上昇しました。その後は伸び悩みましたが、大きく押すことなく引き続き高値圏で堅調に推移すると結局475円高の32,419円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

ソニーグループ(6758)が4.5%高となりました。ゲーム技術を磨いて現実世界と仮想空間が融合する「複合現実」などの新市場で競争力を高めるため、2024年3月期にゲーム事業の研究開発に3年前の2倍にあたる約3000億円を投じると伝わったことや、外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたこともあり買いが優勢となりました。サイゼリヤ(7581)も一時15.6%高となり年初来高値を更新しました。中国でロックダウンの影響が少なくなり客足が回復したことで中国を含めたアジア事業の利益が大きく伸び、第3四半期の営業利益が前年同期比で3.4倍となったことで買いを集めました。本決算を発表した三協立山(5932)も一時18.0%高となり年初来高値を更新しました。価格改定効果が通期で期待できるほか、足元でアルミ地金の価格が落ち着いていることもあり2024年5月期の営業利益が前期比で2.2倍となる見通しを示したことから大きく上げ幅を広げました。菓子メーカーの寿スピリッツ(2222)も8.5%高となりました。商品力・販売力・売場力の大幅なレベルアップや、インバウンド復活準備などの重点施策の推進にスピード感を持って取り組んだことにより第1四半期の売上高が概算で前年同期比45.5%増になったと発表したことで大幅高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は475円高となりました。6月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化し市場予想を下回ったことで米連邦準備理事会(FRB)による利上げ長期化への懸念が後退し昨日の米国市場が続伸となったことから買いが優勢となりました。朝方には伸び悩む場面もありましたが、マイナスになることなく踏み止まると節目の32,000円を上回って上げ幅を大きく広げ、一時は節目の32,500円に迫る場面もありました。そのため下値への警戒感が一旦は和らぐことになりそうで、明日は32,500円を上回って週の取引を終えることができるかがポイントとなりそうです。なお、小売り企業の決算発表が本格化しています。本日も引け後にはセブン&アイ・ホールディングス(3382)やファーストリテイリング(9983)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や6月の米卸売物価指数(PPI)が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)