東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。137円安の33,438円で寄り付いた日経平均はまもなくしてプラスに転じると9時20分前に66円高の33,641円まで上昇しました。しかし、伸び悩むと再びマイナスとなり後場に入り下げ幅を広げました。14時50分過ぎに342円安の33,232円まで下落した日経平均は結局310円安の33,264円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に上昇となりましたが、新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

パナソニック ホールディングス(6752)が一時3.4%高となり年初来高値を更新しました。マツダ(7261)が2020年代後半に発売する電気自動車(EV)に傘下のパナソニックエナジーが電池を供給する方向で協議を始めたと発表したことを材料視した買いが入りました。

任天堂(7974)も一時3.5%高となり年初来高値を更新しました。「スーパーマリオブラザーズ」シリーズの約11年ぶりとなる完全新作「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」など、マリオシリーズの2タイトルを発売すると発表したことで買いが優勢となりました。

関西電力(9503)も一時4.1%高となり年初来高値を更新しました。高浜原子力発電所1号機の運転を8月2日に再開すると発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。セレス(3696)も4.3%高となりました。暗号資産のビットコイン価格が30,000ドルを回復したことから暗号資産の交換業者に出資しているセレスに物色の矛先が向かいました。

また、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRK)が子会社を通じて株を買い増したことが明らかとなり、20日に上場来高値を更新した大手商社株が本日も買われました。伊藤忠商事(8001)が一時3.9%高、丸紅(8002)が一時5.1%高、三井物産(8031)が一時3.0%高、住友商事(8053)が一時3.4%高、三菱商事(8058)も一時3.3%高となり、揃って上場来高値を付けています。

一方で昨日の米国市場でハイテク株が売られた流れを受けて半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が4.6%安、SCREENホールディングス(7735)が3.5%安、レーザーテック(6920)が5.3%安、アドバンテスト(6857)が6.9%安、ディスコ(6146)も4.3%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は310円安となりました。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米下院金融サービス委員会で年内の追加利上げの必要性を改めて示唆し、昨日の米国市場が続落となったことから売りが優勢となりました。押し目買いが入り下げ渋ると前場には一時プラスとなる場面もありました。しかし、伸び悩むと後場に入り下げ幅を広げました。そのため上値の重さがやや意識されそうですが、昨日時点での25日移動平均線との乖離率が5%余りまで広がっていたことからすると必要な調整だったともいえそうです。

なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数が発表されるほか、23時には5月の米中古住宅販売件数と5月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。また、同じく23時にはパウエルFRB議長の米上院銀行委員会での証言も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)