日経平均は34,000円手前で伸び悩み、5日移動平均線を下回る
日経平均株価は33年ぶりの高値圏にある中、少しずつ伸び悩む値動きとなってきました。終値ベースでは、6月16日に33年ぶりの水準となる高値をつけた後、翌営業日の6月19日には陰線が発生し、わずかですが上向きの5日移動平均線を下回って終えているのが分かります。
さらに、翌営業日となる6月20日には明確に5日移動平均線を割り込みましたが、5日移動平均線は上向きを続けています。
このような状況から、株価が5日移動平均線を下回ったままの状態が続くとともに、5日移動平均線が下向きに変化するようですと、トレンド転換の可能性が高まっていると考えられ、買いポジションを持っている投資家は、損失の発生や拡大に注意が必要と言えます。
一方で、5日移動平均線上を早期に回復するとともに上回って推移するようですと、チャート上に丸で示した部分にあるように、短期で調整が終了し、高値を更新することが視野に入ってくるため、売りポジションを持っている投資家は、買い戻すタイミングを逃さないようにする必要があると考えられるのではないでしょうか。
モメンタムの急低下中だが、0ライン上を維持
では、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見るとどうでしょうか。モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が急低下しているのが分かります。
2本線ともに急低下していることから上昇の勢いは弱くなっていると考えられるものの、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回っているため、上昇の勢いそのものはまだ続いていると考えることができます。
そのため、2本線の低下が続いたり、0ラインを下回ったりした場合、5日移動平均線を割り込んだままの展開が続くことが考えられる反面、モメンタムとシグナルが上向きに変化したり、上向きに変化したまま上昇が続いたりするようですと、5日移動平均線を上回って短期的な調整で終わり、高値を更新して34,000円を目指すことが視野に入ってくるのではないでしょうか。つまり、トレンドが変わるかどうかの重要な局面に差し掛かっていると考えられそうです。
このように重要な局面では、思い込みでポジションを作るのではなく、変化の兆しを見逃さないようにして売買判断に役立てることが、成功への第一歩になるのではないかと思われます。