【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,799.92  ▼255.59 (5/24)
NASDAQ: 12,484.16  ▼76.08 (5/24)

1.概況

米国市場は米連邦政府の債務上限問題を巡る政府と野党・共和党の交渉に進展がみられないことから続落となりました。33ドル安でスタートしたダウ平均は下げ幅を広げ昼過ぎに303ドル安まで下落するとその後下げ渋りましたが、引けまで軟調に推移すると結局255ドル安の32,799ドルで取引を終え4日続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も76ポイント安の12,484ポイントと続落となっています。

2.経済指標等

5月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、参加者の何人かが追加の引き締めが正当化されるかもしれないとの見方を示した一方で、数人は一段の利上げの必要はないかもしれないとの見方を示し、見解が分かれていたことが明らかとなりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が下げました。そのなかでも不動産が2%を超える下落となったほか、金融と資本財・サービス、素材も1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が下げました。そのなかでもスリーエム(MMM)が3%を超える下落となったほか、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も2%以上下げました。IBM(IBM)も2%近く下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体のアナログ・デバイセズ(ADI)が決算で5-7月期の業績見通しが市場予想を下回ったことで8%近く下げています。一方でカジュアル衣料チェーンのアバクロンビー・アンド・フィッチ(ANF)は決算が市場予想を上回る増収増益となったことから急伸し31%余り上げています。百貨店のコールズ(KSS)も決算で1株損益が予想に反して黒字となったことから7%を上回る上昇となっています。また、取引終了後に決算を発表した画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)は決算が市場予想を上回ったことなどから時間外で大幅高となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い3.74%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ139円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が円安などを支えに下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)