ユーロは一段高へ向かうのか?
欧州通貨のユーロが堅調です。対円では、3月20日安値の1ユーロ=138.82円から直近5月2日高値の151.61円まで約9%上昇。2022年10月21日につけた高値148.40円を上回り、一段高の気配が強くなってきました。
対米ドルでも、2月2日高値1ユーロ=1.1033ドルを上回り、高値ブレイクで一段高との見方が基本的な考え方でしょう。
ユーロ/円は天井打ちの可能性も
一方、ユーロは一段高に向かうか、反転下落に転じるか、目先の正念場にきています。ユーロ/円の日足では、直近高値から三陰連(3日間連続して陰線が続くこと)を形成しています。これだけではまだ何とも言えないところですが、ユーロの目先的な天井打ちを考える必要があります。
遡ること2020年5月、その日の安値114.41円を起点とした上昇波動でみると、すでに上げ下げ合わせて九波動目のカウントができる点や、五波動目の高値(2022年6月高値144.27円)、七波動目の高値(2022年10月高値148.40円)、もし、現在の九波動目の高値が5月2日高値151.61円だとしたら、高値のリズムが近くなる典型的な天井打ちパターンになりかねません。
もっと過去の長いチャートをみると、5月2日高値が2007~2008年にかけての天井形成の際に下げ渋った水準(149.20~153.95円)のちょうど中値151.58円に近いことが分かります。
ユーロ/米ドルは上値のフシ
また、対米ドルの側面からも、2022年9月安値0.9534ドルから順調に戻り歩調をたどっていますが、2017年1月安値1.0339ドルを起点として2020年3月安値1.0635ドルを通る上値抵抗線までの戻りを達成しました。一般的には強い上値のフシになりえる水準です。
この上値抵抗線をブレイクアップした場合、1.14~1.16ドル前後まで一段高が見込まれます。ただ、一段高となった場合でも、ユーロ/米ドルの2008年高値1.6038ドルを起点とした長期の下降トレンドラインよりも下で推移していることに変わりなく、高値をつけた後の反動は比較的大きくなることが予想されます。