【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,530.83 ▼344.57 (4/25)
NASDAQ: 11,799.16 ▼238.05 (4/25)
1.概況
米国市場は決算を発表した地銀で大規模な預金流出が明らかとなったことから大幅下落となりました。47ドル安でスタートしたダウ平均は朝方にプラスとなる場面もありました。しかし、前日終値をわずかに上回ったところで上値が押さえられると再びマイナスとなり大きく下げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は344ドル安の33,530ドルと安値圏で取引を終え3日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も238ポイント安の11,799ポイントと続落となりました。
2.経済指標等
4月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は101.3と前月から低下し市場予想も下回りました。一方で2月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比0.4%上昇し市場予想を上回りました。3月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比9.6%増の68万3000戸となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも素材と情報技術、一般消費財・サービスが2%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では30銘柄中23銘柄が下げました。そのなかでも決算で売上高が大幅な減収となったダウ(DOW)が5%を超える下落となったほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)とインテル(INTC)、セールスフォース(CRM)、JPモルガン・チェース(JPM)、キャタピラー(CAT)も2%以上下げました。マイクロソフト(MSFT)も2%を上回る下落となりましたが、取引終了後に発表した決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で大幅高となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、決算を発表した地銀のファースト・リパブリック・バンク(FRC)が3月末時点の預金残高が2022年12月末から41%減少したことが明らかになったことで急落し49%を超える下落となっています。他の地銀株にも売りが波及しウエスタン・アライアンス・バンコーポレーション(WAL)が5%以上下げたうえ、大手金融株も安くバンク・オブ・アメリカ(BAC)が3%余り下げ、シティーグループ(C)とウェルズ・ファーゴ(WFC)、モルガン・スタンレー(MS)も2%以上下げています。
また、物流大手のUPS(UPS)が決算で売上高が市場予想を下回ったことなどから10%近く下落しました。さらに大手ハイテク株が安くアマゾン・ドット・コム(AMZN)が3%を超える下げとなり、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も2%以上下落しました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も2%安となりましたが、取引終了後に発表した決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことなどから時間外で大幅高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.09%低い3.40%となりました。ドル円は133円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の28,500円を割り込みそうですが、朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)