【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,886.47  ▼143.22 (4/14)
NASDAQ: 12,123.47  ▼42.81 (4/14)

1.概況

先週末の米国市場は米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が講演で一段の利上げが必要だと語ったことで利上げ継続による景気悪化を懸念した売りが出て反落となりました。47ドル安でスタートしたダウ平均は朝方にプラスとなる場面もありました。しかし、53ドル高で伸び悩むとマイナスに転じ大きく下げ幅を広げ昼過ぎには298ドル安まで下落しました。その後下げ渋ると引けにかけて持ち直しましたが、上値は重く結局143ドル安の33,886ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も42ポイント安の12,123ポイントとなっています。

2.経済指標等

3月の米鉱工業生産指数は前月比0.4%上昇し市場予想を上回りました。設備稼働率も79.8%と前月から上昇し市場予想を上回っています。4月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値も63.5と前月から上昇し市場予想も上回りました。一方で3月の米小売売上高は前月比1.0%減となり市場予想を下回りました。2月の米企業在庫も前月比0.2%増に止まり市場予想を下回りました。また、3月の米輸入物価指数も前月比0.6%低下し市場予想を下回ったほか、米輸出物価指数も前月比0.3%低下し市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、不動産と公益事業が1%を超える下落となりました。一方で金融やコミュニケーション・サービスなどの4業種が上げ、金融は1%余り上昇しています。

4.個別銘柄動向

決算が市場予想を上回ったJPモルガン・チェース(JPM)が7%以上上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、同じく決算が市場予想を上回ったシティーグループ(C)も5%近く上げています。さらに資産運用世界最大手のブラックロック(BLK)も決算が市場予想を上回ったことで3%余り上昇しています。一方でボーイング(BA)が主力機の737MAXについて航空部品企業のスピリット・アエロシステムズ(SPR)から品質に関する問題が報告されたため一部の納入を中止したと発表したことで5%以上下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。スピリット・アエロシステムズは急落し20%余り下落しています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.06%高い3.51%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ133円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が下落となる一方で、ドル円が円安となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか先週末までの6日間で1,000円以上上げた日経平均が利益確定の売りが出やすいなかで堅調な地合いを引き続き維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)