東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅続落となりました。224円安の27,589円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分余りで345円安の27,467円まで下落しましたが、節目の27,500円を割り込んだところで押し目買いが入りやや戻すと299円安の27,513円で前場を終えました。再び27,500円を割り込み324円安の27,489円でスタートした後場の日経平均は直後に27,500円をわずかに上回る場面もありました。

しかし、27,500円を上まわったところでは上値が重く再び下げ幅を広げ14時30分前に385円安の27,427円まで下落すると結局340円安の27,472円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

本決算を発表した西松屋チェーン(7545)や壱番屋(7630)、サンエー(2659)が年初来高値を更新しました。西松屋チェーンは不採算店舗の閉鎖や広い店舗への切り替えで収益性の改善が見込まれるうえ、公式オンラインストアの売り上げが伸びることなどから2024年2月期の営業利益が前期比で24.4%増となる見通しを発表したことで一時5.9%高となりました。

また、壱番屋も前期に実施したカレーソースやトッピングの値上げが寄与し2024年2月期の営業利益が前期比で19.0%増となる見通しを示したことで一時5.2%高となり、サンエーも新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き沖縄県内での人流の回復が見込めることなどから2024年2月期の営業利益が前期比で4.4%増となる見通しを示したことで一時8.5%高となっています。

一方で昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%近い下げとなったことで日本市場でも半導体関連株が安く、なかでも東京エレクトロン(8035)が4.5%安、レーザーテック(6920)も4.9%安となっています。さらに投資判断と目標株価の引き下げを受けて年初来安値を更新したのが技研製作所(6289)や富士通(6702)で、技研製作所が一時6.2%安、富士通も一時4.6%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は340円安となりました。米国で市場予想を下回る冴えない経済指標の発表が相次ぎ昨日の米国市場で景気敏感株やハイテク株が売られた流れを受けて続落となりました。下げ幅を広げ25日移動平均線(27,739円)だけでなく節目の27,500円も割り込んだことから下値への警戒感が意識されそうですが、こうしたなかで明日も売りが優勢となった場合には200日移動平均線(27,370円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の本決算発表が今週からスタートしています。本日も引け後にはセブン&アイ・ホールディングス(3382)やオンワードホールディングス(8016)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)