【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,482.72  △80.34 (4/5)
NASDAQ: 11,996.86  ▼129.47 (4/5)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は冴えない経済指標の発表を受けて景気後退懸念が強まるなか景気動向に左右されにくいディフェンシブ株に買いが入り反発となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株に売りが出て続落となりました。7ドル安でスタートしたダウ平均はプラスに転じると朝方に141ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むとマイナスとなり昼過ぎに26ドル安まで下落しました。しかし、下げ渋るとその後持ち直し引けにかけてやや上げ幅を広げました。結局ダウ平均は80ドル高の33,482ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が10ポイント安の4,090ポイントと続落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も129ポイント安の11,996ポイントと3日続落となっています。

2.経済指標等

3月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は14万5000人増に止まり市場予想を下回りました。3月の米ISM非製造業景況感指数も51.2と前月から低下し市場予想を下回っています。また、2月の米貿易収支の赤字額は前月比2.7%増の705億ドルとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、一般消費財・サービスが2%安となったほか、資本財・サービスと情報技術も1%以上下落しています。一方で4業種が上げ、公益事業が2%を超える上昇となり、ヘルスケアとエネルギーも1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が4%以上上げ上昇率トップとなりました。ベビーパウダーの健康被害を巡る集団訴訟でジョンソン・エンド・ジョンソンが和解案を提示したことで解決を期待した買いが入りました。また、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も投資判断の引き上げを受けて3%を超える上昇となったほか、メルク(MRK)とアムジェン(AMGN)も2%%以上上げています。一方でナイキ(NKE)とホーム・デポ(HD)が2%以上下げ、ボーイング(BA)とキャタピラー(CAT)も2%近く下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株が軟調でテスラ(TSLA)が3%を上回る下落となり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%以上下げています。半導体株も安くアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が3%を超える下落となり、エヌビディア(NVDA)とウエスタンデジタル(WDC)も2%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い3.31%となりました。ドル円は131円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなり新たな買い材料になりにくいことから大幅安となった昨日の地合いを引き継ぎ軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で27,741円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)