非課税投資のうち、老後に向けて積み立てる「DC(年金)制度」について見ていきましょう。2040年には65歳以上の人口が3,868万人、全人口に占める割合は36.1%に上ると見られており(平成27年総務省)、現役世代(15~64歳)1.5人で一人を支えることになります。(内閣府試算)若い世代も年金制度に不安を感じるのは当然かもしれません。

そこで「確定拠出年金制度」です。日本版401kプランとして、企業のこれまでの年金制度の代替制度として(企業型)、もしくは自営業者など第一号被保険者やサラリーマンでも会社に年金制度のない企業に勤めている人に限定された個人(個人型)の公的年金に上乗せする年金制度として2001年に制定されました。
拠出する金額が決まっていて、それを加入者自身が運用、その結果を自身で受け取るという年金で、これまでの年金額が決まっている確定給付型とは全く異なります。

この制度は加入者拡大を求めて、2012年にマッチング拠出(導入企業において個人が上乗せで掛金を拠出できる)が可能になり、そして今年、2017年から個人型の普及を目指し、これまで拠出を認められていなかった主婦(第3号被保険者)や企業年金のある会社員や公務員等も上乗せ私的年金として加入が認めら、20~60歳未満のほぼ全員が加入できるようになりました。それが個人型確定拠出年金「(愛称)iDeCo」です。

どこが非課税投資なのかというと、下記のような税金優遇(および非課税)があります。

1.掛金支払い時・・・掛金は全額所得控除

2.運用中・・・非課税で再投資

3.受け取り時・・・年金か一時金で受け取り選択可能で、年金の場合は公的年金控除、一時金の場合は退職所得控除の対象となり、税金優遇

条件はいくつかあります。加入できるのは20歳以上60歳未満。受け取り(引出し)は原則60歳まで不可。拠出限度額はどの加入区分に属しているかによって変わり、その範囲内で、自分で決められます。
運用商品は大きく「定期預金」「保険」「投資信託」の3種類。時間をかけて投資できる年代の方であれば、リスクを取る投資信託にぜひ挑戦していっていただきたいですね。投資に慣れることができ、より大きくお金を育てる可能性が高まります。もちろん元本保証ではなく、拠出合計金額を下回る可能性はありますが、時間を味方にできればプラスに転じていく可能性も大きいです。
時間的余裕はない、なるべく堅実に、という方は安全性の高い商品で、非課税のメリットを享受することを一番の目的にするのが良いかもしれません。

様々な非課税投資の制度がありますが、自分の生活や目的にもっとも適したものを探して、ぜひ上手に利用してみてくださいね。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー

CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員