米国のシリコンバレー銀行(SVB)の破綻をきっかけに、グローバル金融マーケットは不安定な動きを続けています。
スイスの大手銀行クレディ・スイスも、経営不安から同業のUBSが買収すると報じられています。
どちらも迅速な処理が行われて、他の金融マーケットへの波及を恐れる金融当局の警戒度の高さが浮き彫りになりました。
マーケットはまだ完全に落ち着いた状態とは言えません。専門家の中には、今後さらなる混乱が生じ、株式市場が調整すると予想する人もいます。
リーマンショックの再来を懸念するコメントも見られます。
短期の経済予測は難しい
しかし、優秀なエコノミストやストラテジストであっても、将来の株価を的確に予想することは極めて困難です。
マーケット参加者と金融当局がどのような対応をしていくかによって、結果は大きく変わっていきます。
多くの人の複雑な意思決定の結果として、株価や為替レートが決まります。それを人間が予測することが難しいのは、考えてみれば当然のことです。
過去の経験からわかること
将来を予想することは困難ですが、少なくとも過去の経験からわかることは、下げ相場で投資を止めるのは、将来の収益機会を失うことになり、避けるべきだということです。
15年前のリーマンショックの時も、株価が下がったところで、パニックになって投資をやめる人が続出しました。
それまで積み立て投資をコツコツと継続していたのに、評価損が大きくなったので、怖くなって売却してしまったような人たちです。これは最悪のタイミングです。
それから10年が経ち、長い目で見ると資産を増やした人というのは、下がった時にも投資を続けた人たちでした。
下げ相場でタイミングを見て、底値でピンポイントに投資ができた人は、ほとんどいません。
成功した人の多くは、積み立て投資を止めることなく続け、気がついたら資産が増えていた人です。
今回も同様の結果が繰り返されると予想しています。
個人投資家がこれからやるべきこと
個人投資家がこれからやるべきことは、株価や為替の予想をするよりも、ドルコスト平均法による積み立て投資を粛々と続けることです。
タイミングを考えて、底値で買ったり高値で売り抜けようとしても、思い通りにはいきません。タイミングを考えない方が、結果的に簡単にかつ着実に資産を増やすことができるのではないかと考えています。
下げ相場はピンチではなく、将来に向けて安値で買うことができるチャンスと捉える。目先のことではなく、長いスパンでの資産形成を考えるようにしましょう。
不安定な相場になればなるほど、やるべきことと、やってはいけないことを見分ける冷静な視点を持つことが一層重要になってきます。