先週、東京都心の8月の連続雨記録が21日でストップし、突如猛暑が戻ってきました。仙台では観測史上1位の連続降雨記録となりました。この時期、西日本は猛暑の日々、その前まではやはり豪雨が続きました。小さな子供にとっての「日本の夏」は、大人がイメージする熱帯雨林のものと相違ないのかもしれないですね。

各地を襲った豪雨は甚大な被害をもたらしました。片付けや掃除、本当に大変なご苦労だと思います。人の労力はもちろんですが、経済的な負担も大きくなります。こうした万が一のときこそ、助けになるのが保険です。水害(水災)をカバーするのはどういうタイプの保険かご存知でしょうか。火災保険がそれに当たります。これに台風などの風災も対象となる損害保険です。ただし、どの火災保険も一律これらの補償があるかというと、残念ながらそうではなく、「住宅総合保険」や「オールリスクタイプ火災保険」という種類に限定されます。これらの保険でカバーするのは下記の災害です。
1.火災
2.落雷
3.破裂、爆発
4.風災、雪災、ひょう災
5.水災(洪水、床上浸水)
6.水漏れ
7.物体落下、飛来、衝突
8.暴力行為等による破損、汚損
9.家財盗難破損、汚損(家財契約のみ)

通常の「住宅火災保険」では上記1~4は補償されますが、5の水災以降は補償外です。また9の家財契約は自身で選択して加入するもので、火災、水災、風災等上記災害により家財が被害を被った時に補償されます。ただし対象にならない家財や金額の上限等もあります。ぜひ今一度、保険証券を確認しておきましょう。

なお、地震、噴火、津波による損害は火災保険ではカバーされません。たとえ火災になっても、要因がこれらであれば対象外です。別途地震保険を火災保険にセットで契約する必要があります。

このような書き方をすると、何が何でも広範囲をカバーしている保険に入っておかなければならない、と思ってしまう方もいますが、カバーが広くなればそれだけ保険料も高額になります。被災する可能性があるのか、保険料が高くなることに対して見合うだけのものかは事前によく検討すべきです。
その方法として、まず対象物件(ご自宅)地域の特性を理解しましょう。山や海、川の近くなのか、火山の近くなのか、低地なのか、地面の硬度はどうなのか等々のリスク確認です。山や川からの距離が変わらなくても地域によってリスクの大小が変わることがあり、自治体が作成しているハザードマップをぜひチェックしてください。
その他、建物の構造が地下、半地下などになっていないか、木造なのか鉄筋なのか等でも大きく異なります。

やみくもに不安がらずに自身の抱えるリスクを冷静に判断したうえで、必要な備えをしたいですね。世界レベルで増えている自然災害です。まさか、ということが起こる昨今ですから、あまり楽観的過ぎるのも気をつけましょう。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員